第6章 日常の変化(※)
夢主side
見れば見るほどイイ男。
なんでお酒を飲む姿ですらこうも色っぽいのだろう彼は。
頭がふわふわしてきた、久しぶりにちゃんと酔っ払ってる気がする。
『・・・ねえ、春千夜はこの後どこいくの』
「ぁ?特に決めてねェけど」
・・・私と一緒にいてくれないのかな。
思わず心臓がキュッてなって春千夜の顔を見上げた。
「なんだァその顔。ねだってんの?」
『・・・だって、寂しかった』
酔っていると普段言えないような言葉まで出てきてしまう。きっと後で後悔するんだろうなぁ、私。
でも、なんでもよかった。自分が思ってた以上にあれからずっと彼の存在を求めてしまっていたんだ。その気持ちに気づかないフリをして。
たった一晩同じベッドで寝ただけの相手、任務を共にしただけなのに。
直感ってやつなんだろうな、この気持ちを説明なんて出来ない。
「へぇ、素直じゃん。会いたかったんだ?」
意地悪く笑う彼の顔、嫌いじゃない。
一生会えないくらいなら振り回されてたっていいかもしれない。
『春千夜は?・・・私の事なんて忘れてた?』
「んー。やっぱ、あの夜めちゃくちゃに抱いときゃよかったなーとか考えてたなァ」
『・・・ッ。か、からかわないで』
そんな事言われると変な気持ちになって仕方ない。ただでさえ正常に働かない頭でがんばってるのに。
こういう時いつもどうしてたっけ。仕事では考えずとも出来ることが春千夜の前では全部わからなくなる。
微かに肩が触れ合うだけで、苦しくて、どうにかなりそう。
このまま潰れてしまいたい、忘れるくらいに。
「・・・酔ってんの」
『ん・・・。ちょっと』
「ふーん、まぁいいぜぇ?潰れたら持って帰ってやっからよ」
そんな事言われるとまた顔が熱くなってくる。
冗談なのか本気なのかわからない。どんな気持ちでそういう事いってるんだろう、まだガキ扱いしてる?
もう上手く力も入らないけど、甘えるように彼の袖を少し引っ張る。
『・・・ね、春千夜。もう、ここでたい・・・』
「ははっ。今日のオマエ、かわい」