第6章 日常の変化(※)
夢主side
『・・・で、でも、私がいなかったら他の子持ち帰ってたんでしょ?じゃあ私じゃなくていいじゃん・・・』
「・・・めんどくせェやつだな、俺だってオトコだぜ?
まぁそんな事はどうだっていいからさ、来いよ」
『えっ・・・まだ!仕事ちゅ・・・・・』
といっても、もう終わったようなものだけど。
私の腕を掴んだままフロアへと歩いてく春千夜。相変わらず強引。
でも、それが嫌じゃない自分がいた。
(・・・ドレスも髪型も、変じゃないかな。・・・化粧直しとけばよかった)
いつもは自信満々な癖に、なぜかこういう時だけ少しだけ自信がなくなる。
今日の私もちゃんと可愛いかな、なんて。
フロアを歩いてく春千夜の後ろ姿はなんだかカッコよかった、それに優越感さえ感じた。
こんなイイ男に声をかけられて引っ張られて、彼が自分を選んでくれた事がやっぱり嬉しくて、周りの視線さえ気持ちが良かった。
そのまま春千夜はカウンターまで行き、何が飲みたい?と聞いてきたのでとりあえず同じモノをお願いする。
『・・・ねぇ、さっきまで一緒にいた子いたんじゃないの?・・・いいの』
「あ?別に声掛けてきたやつと飲んでただけ。
それにオマエみたいな女を連れてる男に近付くバカいねェよ」
ハッと笑いながら私を見てくる。
・・・そんな風に言われると悪い気はしない。そりゃあ私は綺麗なんだから当然だし・・・!
彼とはくだらない話をしながらひたすら酒を飲んだ。最近は何してるのとか、どんな仕事なのとか、今まで聞けなかった事を色々聞いた。
だるそうにしながらも春千夜はちゃんと教えてくれた。
お酒はどうやら強いみたい。同じモノを飲んでいるけどまぁまぁキツいし私は酔いが回っているのに彼は平然としている。
・・・なんか今日の春千夜は優しい。初めて話した時あんなに険悪ムードだったのが嘘のようだ。
あの時はこんな私達の姿、想像もできなかった。
(・・・・・・・・・やっぱ、今日来てよかった)