第1章 組織の女
翌日の夜、まもなく梵天との打ち合わせの時間がやってくる。
「おう、準備できたか?」
『OK、いつでもいいよ』
部屋をノックされてゼンの方へ向かうといつもよりしっかりスーツを着こなしている辺り、落ち着かないのはみんな同じなのだろう。
さすがのも梵天相手となると気乗りはしないし本当なら一番関わりたくなかった組織。
「へぇ〜いいじゃんそのドレス。気合い入ってんの?」
『当たり前、仕事だもの。第一印象で全てが決まるんだから』
胸元はなるべく露出高め、足元はスリットの入った黒のロングドレス。いつもは適当に下ろしている長い髪も仕事の時はしっかりヘアメイクして巻いている。
奇抜な女より隙のある女の方が手を出されやすいモノなのだと。
「黙ってればお前程のイイ女はいねーぞ?誰もが認める極上の女だ。ササーっと殺っちゃってくれよな」
『ハ、気持ち悪い。黙って言うこと聞くような女なんてこの世界じゃ生きてけないでしょ。男に見下されるのは嫌いなの』
呑気なテンションの仕事仲間に呆れていただが、すぐに出発の声が掛かった。面倒な相手だろうが仕事の時は切り替えなければならない。
しかし謎に包まれている梵天と対面できるのは内心彼女達も楽しみなのである。
『さて、今日もお仕事頑張りますか』
______そんな私が一人のヤク中に翻弄されてしまうのは
まだ少し先のお話