第1章 組織の女
ゼンの言葉に思わずは手が止まる。瞬時に脳が理解をしようと働いてるが答えは出ない。面識すらない梵天との任務に、何故私なのだろう?と。
「標的があまりに警戒心強いんでな、情報を聞き出す手段として一番最適なのがお前の役割なんだよ。あいにく梵天側にはハニトラ要員がいない。
そこで今回ウチの社長が梵天に取引持ち掛けたってワケ!」
大蛇は一応会社なので勿論社長がいるのだが、やはりトップ。
金に目は無いしイカれている。
「俺らの依頼主も太いもんだからなるべく引き受けたいんだよ。梵天には " こちらの目的はターゲットの暗殺、それを遂行させて貰えるなら梵天が望む情報を提供する "って伝えた所、一応OKが出た」
『へぇ、まぁいいけど。よりによって私なのね』
「を送らせるのが誰よりも安心だろ?お前程ハニトラに向いてる女もなかなかいねーんだから」
( ・・・褒めているつもりなのか?この男は)
しかし彼女もプロの暗殺者。どんな相手でもどんな以来でも完璧に仕事をやり遂げるのみ、それが大蛇だ。
『・・・いいよ。打ち合わせはいつ?まさか梵天に私1人で向かう訳じゃないでしょうね』
「ああ、俺が同行する。お前に取引の才能はないからな、そこんとこは俺達に任せてくれていい。梵天との打ち合わせの日程は____
______________明日の夜だ」