第4章 熱い身体
夢主side
『・・・えっ。・・・・・・なに、こ、来ないでよ 』
彼は私の隣にやってきて何故かそのまま隣に座ってきた。背もたれに右肘を置いてこちらを見る。
「・・・・・・仕事で男を相手してる割にはオマエ、大分男慣れしてねぇなァ?すーぐ反応して逃げていく感じ、おこちゃまだろ?」
『なっ!・・・バカにしないでよ!素性も知らない相手をプライベートで警戒するのは当たり前でしょ!』
「仕事以外じゃオマエは男を誘う事も誘惑する事もできないって訳。ほんと勿体ねーなぁ」
空いてる左手で私の頬をゆるく撫でてくる。まだクスリの抜け切ってないこの身体ではそんな刺激にすら反応してしまう。
「・・・てか素性も知らないって、一緒に仕事した中なのに冷てェこと言うじゃん」
『だって、アンタと会ったのもついこの前じゃない。三途って名前の27歳ヤク中ってことしか・・・・・・・・・』
・・・・そういえば、ずっと知らなかった。
彼の名前ってなんなのだろう。
「春千夜」
『・・・・・・え?』
「三途春千夜、忘れんな」
なんだかんだ初めて聞いた彼のフルネーム。なぜだろう、たったそれだけなのに新しい情報が手に入ると少しだけ、近くなったように錯覚する。
『・・・・・・春・・・千夜・・・・・・・・?』
「ん。・・・何?」
そういって意地悪く笑いかけてくる。
それでも私に触れている彼の手は、とても暖かく感じた。