第3章 パーティー
午後20:00、会場に到着。
2人は車を降りて中へと向かう。
先程までは険悪ムードではあったが任務はここから始まっている、どちらも黙っていれば完璧なのだ。
厳重な警備がある為、限られた者しか参加もできないパーティーだ。このツテは社長が用意してくれたおかげである。
会場内では特に指示は無い。のタイミングで接触を図る。
ターゲットを目視できる場所には九井と灰谷兄弟が招待客として配置されており、ゼンは既に情報収集を始めているだろう。
「 こちらになります。」
フロアへと案内された奥には大きなシャンデリアに窓ガラス、どこぞの舞踏会でもするのだろうかと思うくらい綺麗なパーティー会場。
沢山の人で溢れている為、事前に与えられたターゲットの情報を元に探していく。
____________ターゲット確認。
『 ・・・先にグラスが欲しい。私の手を取って歩いて 』
「 ァあ?・・・そこまでやんのかよ 」
『 1人でいると思われたら声を掛けてくる男が沢山いるの、パートナーを連れてくるのもトラブル防止。途中からは私だけで行くから貴方は15分後にフロアを出て 』
それはそうだ、既にフロアでも彼女の存在は際立っている。
なかなかお目にかかれないような美人がいるなら、あわよくば相手をしたいと思っている男が群がってくるだろう。
もそれが面倒なのでこのようなエスコート役が欲しかったのだ。三途が隣にいればに近付こうとする男はまずいない。
( ・・・・・・私のエスコートが出来るなんて普通は喜ぶのに、この男は・・・ )
共にフロアを進んでいき、途中グラスを1つ手に取った。
三途と重ねていた手は降ろしてそのままシャンパンを一口飲む。
そのまま1人、はターゲットの男へと足を進めた。