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桜舞い散る春の夜に…【ポケモン】

第2章 chapter1 ~敵~


ポケモンセンターに着いた私は皆をジョーイさんに預けると、ソファーに座っていたのにいつの間にか眠ってしまった。

次の日は、レオの呆れた声と体に感じる振動で目を覚ました。

「んぁ…レオかぁ…。おはよ…。」

寝ぼけ眼を擦ると、レオはこれまた呆れたように溜息をついた。

[レオかぁ…じゃない!疲れてたのは分かるが俺達を受け取らないまま寝るな!]

「ごめんママ…。あ、レオだった。」

余りにもレオの小言がママに似ていて思わずそう言ってしまった。

案の定レオからはまた溜息が出てきた。

[まぁいい。昨日の話も気になるから早くカラクサタウンに行こう。]

「うん…そうね!」

思い出してしまった、昨日の出来事。

Nさんの考えが間違っているとは言い切れないけど、でも合っているとは思えない。

レオ達に不安にさせない為にも元気を出してポケモンセンターから出た。

「出てきて、ティアナ!」

ボールを投げると、ラティアスであるティアナが出てきて嬉しそうに擦り寄ってきた。

ティアナとはホウエンに行った時に立ち寄った最果ての孤島というところで出逢った。

[やっとサクラ様からお呼びがかかりましたわ♪ずっとレオ様が独占されて嫉妬しましたのよ?]

ティアナのいつも見ないような鋭い視線のせいでレオが少したじろいでいた。

「ごめんね、ティアナ。このカラクサタウンってとこに行きたいの。」

まあまあ、とティアナを宥めてからカバンの中からマップを取り出し、目的地であるカラクサタウンを指差す。

今いる場所はフキヨセシティ。空の便がある事で有名らしい。

[承知しましたわ。どうぞお乗りくださいませ。]

そう言ってティアナは私から1度離れ、背中を向けて乗りやすいようにしてくれた。

「ありがとう。じゃ、レオは戻っててね。」

レオが[あぁ。]と承諾したのを見ると、ボールに戻してティアナに跨った。

「よろしく、ティアナ。」

私が首をひと撫でするとティアナは嬉しそうに鳴いて瞬く間に空へと飛び上がり、目的地へと向かっていった。
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