• テキストサイズ

桜舞い散る春の夜に…【ポケモン】

第2章 chapter1 ~敵~


暫く歩くと川のせせらぎが聞こえて、川岸に座った。

レオも続いて隣に腰掛ける。

川縁ということもあってか、周りよりもいくらか涼しい。

川に浮かぶ桜を眺めているとレオが私を見てくるため、「どうかした?」と声をかけた。

[いや、サクラの髪がかなり伸びたと思ってな。]

そういえば、と髪を少し梳く。

原点であるカントーを旅している時から一回も切っていなかった。

今ではもう足の付け根あたりまで伸びているだろうか。

「にしても、この髪色のせいで色々大変な目に合ったよね…。」

街に出る旅に髪の毛バッサリ切られたし…。

[何もサクラが悪い訳じゃない。気にするな。]

そう言ってレオは私の頭に手を乗せて、慰めるように数回撫でてくれた。

「ありがと、レオ。」

レオの優しさに何だか胸がいっぱいになって、目の前が少し霞んでしまった。

[はぁ…泣く時はチャンピオンになった時だろ?]

溜息をついて呆れたように言うが、その表情はどこか優しげだった。
/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp