第8章 気になるあの子は
花子 side
今日はお店もお休みだけど生憎の雨で外にも出られない。
(コハク…拗ねてるかなぁ。)
きっと頭の良いあの子の事だから雨の日は私が来ない事は分かっている。でも次の日になると凄く拗ねた顔をするから機嫌を取るのが大変。
(そうだ、薬のストック無くなってきたな。)
私の作る薬はまあまあ好評で特に二日酔いの薬はジルさんのお店には必ず置いてある。そのストックがそろそろ切れる事を思い出し作ろうと椅子から腰を上げた時、玄関に付いてあるベルが鳴った。
「誰だろう?」
こんな雨の日にわざわざ来る人なんて私の知り合いには多分いない。急いで扉を開けるとまさかの人物に驚いてしまった。
「シャンクスさん?!」
玄関前に立っているシャンクスさんは傘も差さず全身びしょ濡れで、兎に角このままでは風邪を引いてしまうので私は彼を家に招き入れた。
「どうしたの?!そんなびしょびしょで!」
「…。」
「取り敢えずこれで拭いて!」
何も言わないシャンクスさんにタオルを差し出すと彼の手は私の手首を掴んだ。
「…お前、昨日ベックと会ってたか?」
「ベックマンさん?うん、昨日いつもの入り江で会ったけど…。」
彼がどうかしたのだろうか?シャンクスさんの顔を覗き込めば突然、後頭部に手を回し顔を引き寄せられた。
「んンッ?!」
いきなり塞がれた唇。驚き思わず口を開くと滑り込む様に彼の舌が入ってくる。
「んっ、ふぁっ…ンッん」
乱暴に絡め取られる舌に身体の力が抜けシャンクスさんにしがみ付くと、腰を持ち上げられ足が床から離れた。
「ちょっ、まっ!うち、土足禁止!」
土足のまま部屋に入りリビングのテーブルに私を押し倒すシャンクスさんは何故か怒った様な顔をしている。
「俺の気を向かせる為にベックに近付いたのか?」
「は?!いや、何言ってんの?!」
「だが、あいつは止めとけ。」
「だから意味がって…ちょっとぉっ?!」
意味が分からず1度シャンクスさんを落ち着かせよしたら、下着ごと私の部屋着のズボンを剥ぎ取られてしまった。
「そんな悪い子には…お仕置きだな。」
ギラギラと怒りを含んだシャンクスさんの目に私は身体を強張らせた。