第8章 気になるあの子は
花子 side
拝啓、父上様、母上様、お姉ちゃん。
後、その旦那とちびっ子2名。
お元気ですか?私は色々ありましたが優しい人達に囲まれ元気にやってます。
さて、新たな土地で頑張っている今日この頃ですが…。
「なぁ、花子!俺の船に乗らねぇか?」
「お頭、絡むな。花子が嫌がっている。なぁ…今夜空いてるか?」
ちょいワル2名に絡まれてますっ!
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今日は朝から何だか町が慌ただしい。何でもこの島を縄張としている海賊団の船が来るんだそうな。
「そんなに怖い人達何ですか?」
「そんな事はねぇよ!良い奴等だ!只、町の奴等はそいつ等に喜んで欲しくて張り切ってんだ。」
確かに町の人達は怯えて慌てているって言うよりかは、わくわくしている感じがする。ジルさんも張り切っているのか朝から仕込みに大忙しだ。
「そんなに大きな海賊何ですか?」
「でけぇなんてもんじゃねぇよ!この島を縄張にしてんのは、今や四皇"赤髪"のシャンクス率いる赤髪海賊団だ!」
俺が知ってる時はまだ小僧だったがなっと何故か自慢げなジルさんに曖昧な返事をする。
(四皇?赤髪?…どっかで聞いたような。)
「おら、花子!お前もサボってねぇで手伝えっ!」
「えっ、私これからコハクと…「今日は特別だ!」
後で時間作ってやるからと包丁を渡された私は仕方無くジルさんの手伝いをする事にした。
(まぁ…私がする事っておつまみ作るぐらいだしね。)
楽しそうなジルさんの背中を見つめ私も嬉しくなり、その赤髪さんに会うのが楽しみになった。
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「コハク~!」
いつもの入り江に向かうとコハクが待っていましたと言わんばかりに海面から飛び出した。
「ごめんね?ジルさんに捕まっちゃって。」
何処か不満そうな顔をするコハクに謝罪の意味を込めて抱き着けば、機嫌を直してくれたのかその巨体を私に擦り付ける。
「今日ね、凄く偉い海賊の人が来るらしいよ~。」
私の言葉に興味無さそうなコハクの表情に思わず笑みが溢れた。
「赤髪海賊団って言うんだって。どんな人達かな?会ってみたいなぁ。」
「その海賊に興味があるのか?」
「え?」
まさか誰かいると思わず振り向けばそこにいたのは、真っ赤な髪をした男の人がいた。