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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第6章 幸せと歯車


先に酒場に入っていたシャチ達と合流し店の中は大いに盛り上がっていた。久々の陸での食事に皆楽しそうにしている。

「ミラ!これ旨いぞ!」

「わぁ~!こんなの初めて食べました!」

「ミラ、飲み物は足りてるか?」

「はい!飲んでますよ~!」

妹の様に可愛がっているミラの笑顔が見たいからなのか、クルー達はせかせかと彼女の世話をしている。

「…。」

「ふふっ、ミラちゃん楽しそうだね。」

無邪気に笑うミラは可愛らしく楽しそうな彼女を見つめ優しく微笑む花子をローは横目でちらりと様子を伺う。

「…おい。」

「どうしたの?」

「もう少ししたら戻るぞ。」

その言葉の意味を理解したのか酒で赤らむ頬を更に赤く染め恥ずかしそうに俯く花子にローはニヤリと笑みを浮かべる。彼とて久々の花子との時間を楽しみにしていた。

「おい、ミラ!それは酒…!」

「ふわぁ~!何かふわふわしますぅ~!」

どう花子を甘やかそうか考えているとシャチの焦った声に目を向ければ、顔を真っ赤にしふらふらと身体を揺らすミラの姿。その手にはシャチ達が飲んでいたグラスが握られていた。

「おい!酒飲ませたのか!?」

「いや、ミラが勝手に…。」

「なぁんでぇすかぁ~?このジュース美味しいですねぇ~!」

ふにゃふにゃ、ぐでんぐでんになったミラは完全なる酔っ払いである。ローは慌てた様子で彼女に近寄ると持っているグラスを取り上げた。

「まだのめますよぉ~!」

「黙れ酔っ払い。…たく、おい水持ってこい!」

「はい!」

まだ飲むのだと騒ぐミラに水を飲ませローは溜め息を吐くと彼女の身体を抱き上げた。

「船に戻る。」

「それなら俺等が…。」

「いい、俺が行く。」

きゃははっと楽しそうにしているミラに呆れた表情を見せるも、彼女を抱くローの手は壊れ物を扱う様に繊細だった。


(行っちゃった…。)

(((…。)))

(あぁ~…ごめん、花子…。)

(…何が?)

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