第6章 幸せと歯車
花子 side
私は今ロー君の部屋にいる。だからって何する訳でも無く、ロー君はソファーに腰掛け長いお御足を優雅に組み医学書に目を通している。私も初めは薬草学の本を読んでいたけど飽きてきちゃって、今は本を見つめるロー君を観察している。
「…。」
(何をしてても様になるなぁ~。)
少し俯き加減の目元、ページを捲る長く男らしい指先。見れば見る程、惚れ惚れする。
(こっち見ないかなぁ…。)
その口で名前を呼んで欲しくて、その大きな手で触れて欲しくて、少し寂しくなった私はロー君の肩に頭を凭れ掛からせた。
「…。」
(ふふ~、気持ちい。)
ロー君はそっと肩に腕を回すとそのまま私の頭を優しく撫でる。そのゆったりとした時間に思わず顔が綻ぶ。
「…なぁ。」
「ん?」
頭を撫でられ微睡んでいるとロー君が目線はそのまま声を掛ける。何だろう?構ってくれるのかな?
「しゃぶってくれ。」
「…。」
この男は…。そんな気持ちを込めてロー君を睨み付けると、彼はニヤリと笑い自分の股の間を指差す。そんな下品な申し出に私は彼から身体を離すと、ロー君の前に膝を付いた。
「…。」
開かれたロー君の足に滑り込みデニムの前を寛げるとまだ硬さを帯びてない彼のモノ。ふとロー君を見上げればもう本を読む気が失せたのか、少し興奮した様な目で私を見下ろしている。
「?!」
「ふぐっ!」
ぱかっと口を開けた瞬間、何かを感じ取ったのか物凄い速さで頬を掴まれた。
「…おい、俺を不能にする気か?」
「ふぉーふんは、はふい。」ロー君が、悪い
珍しく焦った様な顔のロー君をジトリと見つめると、彼は悪かったと言って私の頭を撫でた。
「何処に行く?」
「ベポのとこ。」
きっとあのキュートな白熊は今甲板でお昼寝中だ。この荒んだ私の心を癒してくれるのは彼しかいないと、立ち上がるとロー君に手を掴まれた。
「…何?」
「…悪かった。」
恨めしそうな目をする私を引き寄せロー君は膝の上に座らせる。
「あんな言い方はやだ…。」
「あぁ。」
私を抱き締めよしよしと宥めるロー君の手は凄く優しい。結局、許してしまう私は彼に甘いなぁっと思う。
(頼むから食い千切る様な事はするな。)
(…ロー君のなんか腐り落ちちゃえ。)
(…困るのはお前だぞ。)
(知らない。)ツーン