第36章 新たな仲間、ポジション変更?
一方、鬼ヶ島では大宴会が開かれていた。酒を呷り豪華な食事が振る舞われ、ダンスフロアではクイーンの金色神楽が披露されていた。
「はぁ…クイーンたら煩いでありんす。飛び六胞は生意気って言われたのは聞いたでありんすかぁ?」
雑音を遮る様にうるティが勢い良く障子を閉める。クイーンの言動に腹を立てた彼女は集められた他の面々に問いかける。
「止めろよ…その言葉使い…恥ずかしい…。」
「もぉ〜、ぺーたんっ♡照れ屋でありんすなぁ〜♡」
「ぺーたん、言うなや!」
呆れた様に溜め息を漏らすページワンにうるティはいつもの様に抱き着く。鬱陶しそうにしている彼をよそにフーズ・フーが煙草を蒸し静かに口を開いた。
「もしクイーンがぽっくり死んだらよ…次の大看板、誰だと思う?」
「お前さん…自分だと思ってんだね。」
大看板になれるのは3人。もしその中で1つ穴が開いたら次になれるのは自分達の誰かだ。確信めいた様なフーズ・フーの口振りにブラックマリアが妖しく笑みを浮かべる。
「大看板になど俺は興味がない。」
「この競争からお前が抜けてくれんなら助かる。ぺーたんも無理だろ、抜けるよな?」
「…あ?」
ブラックマリアの煙管に火を着けたX・ドレークが興味なさげに呟く。ニヤリと笑みを浮かべたササキはお蕎麦マスクなどと言うふざけた輩を取り逃がしたとページワンをからかった。
「あ"あっ!?お前よぉ!?ウチのぺーたんナメてたらシバき殺すぞ、ササキぃー!?」
痛い所を突かれぐっと言葉を詰まらせたページワンは膝を抱え舌打ちを零す。可愛い弟を馬鹿にされ怒り狂ううるティだったが、止めに入ったページワンに怒りの矛先が向き彼に飛び掛かった。
「耳障りだな、糞餓鬼共。」
「あら、可愛いじゃない。誰にでも噛み付くうるちゃん…大好物。」
ぎゃあぎゃあ騒ぐうるティに鬱陶しそうに顔を顰めるフーズ・フーに対しブラックマリアはぺろりと唇を舐め艷やかに微笑む。
「そう言やぁ、花子の奴はどうしたんだ?」
「ハッ!まだ見てないでありんす!?」
「大方どっかで油売ってんだろ、あのチンチクリン。」
「お色直ししているのかもね。」
「…。」
オロチとの面会に向かってから大分経つ。もうそろそろ戻って来てもいい時間帯だが。まだ姿を見せない花子にページワンは不安そうに顔を俯かせた。