第36章 新たな仲間、ポジション変更?
花子 side
「お〜い!錦えも〜ん!敵がいた〜!」
鳥居を壊滅させたルフィ君がこちらに近付いてくる無数の船に手を振る。ああ…青筋立てて怒り狂っているロー君の顔が目に浮かぶよ…。
「おおいっまりも!?それ…どっから…。」
「酒見つかったのか、ゾロ。」
大きな酒樽を抱えてるゾロ君を見つめサンジ君が何処から持ってきたのかを尋ねる。あれ程、お酒の匂いはしないと豪語したサンジ君に対し、したり顔で匂いで分かるとゾロ君は意気揚々とお酒を船に持って行く。
「「本能だな/だね…。」」
「ほんっと、酒と刀の事しか頭にねぇ奴だな…。俺の頭の中はいつでも花子ちゅわん1色だよぉ〜♡」
「あはは…ありがとう。」
ゾロ君のお酒の執着、怖っ!あんなに離れててしかも磯の香りもするのによく分かるよね。…ルフィ君も一緒か。
「おお〜い!準備出来だぞぉ〜!」
乾杯の準備が出来たのかチョッパーさんが樽ジョッキを片手に、ピョンピョン跳ねながら皆に声を掛けている姿がめちゃんこ可愛くて私は尊死寸前です!
「さ、花子ちゃん。お手をどうぞ。」
「あ…ありがとう。」
流れる様な所作で私に手を差し出すサンジ君は本当の王子様みたいで、何だか擽ったく感じこればっかりはいつになっても慣れないなぁ…。
「ルフィー!早く来ないと全部飲んじゃうわよぉ!…ゾロが。」
「飲まねぇよ!?」
いや…あり得る…。ゾロ君の見付けたお酒を次々とジョッキに注ぎ楽しそうにしている皆をぼぉ〜っと見つめていらた、ルフィ君が早く来いと手招きする。
「私も…いいの?」
「当たり前だろ!お前はもう俺の仲間なんだからよ!」
ニッと笑うルフィ君に胸が締め付けられる。皆の側にいたいけどまだ1歩踏み出せずどっち付かずな私を…彼は当然の様に仲間だと言ってくれた。
「ほら、花子も乾杯しようぜ!」
2つのジョッキを持ったチョッパーさんがちょこちょこと少し危な気に近付き片方を差し出してくれた。そんな姿も愛おしいです!チョッパーさんから賜ったジョッキを受け取り私も皆の輪に参加する。
「ジンベエ!待ってたぞ!」
真っ直ぐジンベエ親分を見つめるルフィ君の声は力強かった。他の皆の顔を見ても彼等がどれ程ジンベエ親分を待ち望んでいたか分かる程に。