第36章 新たな仲間、ポジション変更?
ジンベエとの再会を喜び合いたいが今はそうも言ってられない。舵を手にする彼を見つめナミはその操舵技術を称賛する。
「サニー号でサーフィンしたんだぞ!」
「サーフィン?!」
果たして船でサーフィンするとはどれ程の巨大な波だったのか。興奮気味に話すチョッパーに花子は怯えた様に身体を震わせる。
「そう怯えんでも大丈夫じゃ!どんな波が来ようともわしが守ってやる!」
「っ!一生付いていきます!」
「本当にお前はチョロいな…。」
羨望の眼差しでジンベエを見つめる花子にウソップは大丈夫かと呆れた様に呟く。改めてサニー号の舵を取り本当に良い船だと言うジンベエにフランキーは嬉しそうに乾杯するかと提案する。
「よぉし!ジンベエの加入を祝って…乾杯だぁー!」
ルフィもその案に乗り盛り上がってきたところで、サンジが今酒など無いと声を上げる。確かに今から討ち入りしようとしているところに、酒など積んでいる筈がない。
「いや…酒の匂いがする。」
「何処から!?」
「…あっちだ。」
酒の匂いを嗅ぎ分け方向を指し示すゾロの視線の先には今まさに討ち入りしようとしている鬼ヶ島が見えた。ルフィも食べ物の匂いがするとはしゃいでいるがどうやっても潮の香りしかしない。
「ルフィ殿ー!鬼ヶ島に着いたのち島内での行動を確認したいー!こちらに参られよー!」
「ねぇ、錦えもんさんが何か言ってるよ?」
「嘘言ってんじゃねぇ!潮の香りしかしねぇだろ!」
「嘘じゃねぇっ!」
「…聞いて?」
錦えもんがこちらに向かって叫んでいるがルフィ達には届かずいつもの調子で騒いでいる。唯一気が付いた花子が声を掛けるもまったく耳を貸さない彼等にいじけ始めた。
「ルフィ殿ー!」
「諦めろ、錦。あいつ等に作戦なんて与えるだけ無駄だろう。」
反応を示さないサニー号に背を向け作戦会議なら他の船でやれと言うローの言葉を無視し、彼の船には続々と人が集まってきた。
「皆、集まったでござるな?…それでは始めるでござる!」
「チッ…!だから…うちは駐屯所じゃねぇんだよ…!」
鬼ヶ島の地図を囲み作戦会議を始める錦えもん達を見つめローは苛立たしげに舌打ちを溢した。