第36章 新たな仲間、ポジション変更?
必ず助けるとモモの助との約束を胸にルフィ達は鬼ヶ島を目指す。しかし、彼等の行く手を阻むのは百獣海賊団による砲撃だった。
「あんな遠くから何で当たるの?!」
被弾し侍達の乗った船が次々と沈められている。被害が大きくなる前に敵の船との距離を詰めようとするが、荒波に阻まれ近付く事が出来ない。
『花子!俺があの船を沈める!それまで耐えろ!』
「でもっ、コハクが怪我しちゃう!」
海面からコハクが現れ心配する花子をよそに、コハクは勢い良く敵船に突っ込んで行った。
「魚人空手"槍波"!」
突然、海中から巨大な水の塊が飛び出し百獣海賊団の戦艦に風穴を開けた。予想外の奇襲に百獣海賊団は慌てふためく。
「魚人空手"槍波 群雨"!」
彼等に追い討ちをかける様に海面から無数の水の塊が戦艦を撃ち抜く。新たな敵か、それとも援軍か。状況を把握出来ていないルフィ達は唖然としている。
「どちらさんも…お控ぇなすって!」
船の残骸に近付いてみると瓦礫の上には1つの人影。力強いその声色には覚えがありルフィは目を見開いた。
「手前、生国と発しますは海底の国"リュウグウ王国"魚人街。方々のお兄いさんとお姐えさん方に厄介をかけながらこの度、麦わらの親分さんに盃を頂く駆け出し者にござんす!」
水色の肌、鋭く尖った牙。大きな身体を佇ませ口上を述べる人物に麦わらの一味は嬉しそうに目を輝かせる。
「人呼んで"海侠"のジンベエ!以後、面体お見知りおきの上、よろしくお頼み申します!」
「嘘だろ…!?」
「麦わらの一味に入るのかっ?!」
元王下七武海の1人であったジンベエの登場。そして、麦わらの一味への加入宣言にローとキッドは驚きを隠せない様子。
「ジンベエー!」
「わははっ!待たせたのー!」
仲間を見捨てる事は出来ないと"ホールケーキアイランド"に残ったジンベエ。必ず戻って来いと言うルフィとの約束を果たす為、現れた彼にルフィは嬉しそうに破顔させた。
(ジンベエ親分〜!)
(ご無事だったんですねっ!)
(ロビンちゃん、誰?あの人。)
(彼は元王下七武海のジンベエよ。)