第35章 決戦の時
何故、彼等が現れたのか?オロチは作戦を決行していなかったのか?しかもローは投獄されたと聞いている。キッドはともかく現れる筈のないルフィ達にカン十郎は動揺を隠しきれずにいた。
「ねぇ、錦えもん!何かトラブル?!」
4千の兵、鈴後から届く筈の大量の武器は何処にも無く何かあったのかと尋ねるナミに錦えもんは悔しそうに歯を食い縛る。
「拙者っ…不覚を取ったでごさるっ…!」
その場に土下座し錦えもんはルフィ達に頭を下げる。カイドウ及びオロチに全てバレていたと、他の同志達はどうなったか分からぬと、自分の不甲斐無さを悔む様に床に額を擦り付ける。
「そっか…仕方ねぇな。…ん?」
ふとルフィが後ろを振り返るとトカゲ港にモモの助を抱えたカン十郎の姿が目に入る。何故、彼がそこにいるのか…理由をまだ知らないルフィは首を傾げる。
「あんた達にはまだ言ってない事が1つあるの。」
「悪いな…絶望を重ねる様で気が引けてな。」
蝶の羽根を生やした女と鳥の様な格好をした男が意味ありげに笑みを浮かべる。今日の宴はいつもの火祭りの宴とは訳が違うと言う。
「我等、百獣海賊団とかのビッグ・マム海賊団との同盟を記念する宴でもあるのだ!」
四皇同士の同盟。異例の事態にローとキッドは驚愕し、ビッグ・マムの恐ろしさを知るチョッパーとキャロット、そしてウソップはこの世の終わりの様に項垂れる。
「何お前等が威張ってんだ!舐めやがって!皆下がってろ!」
もはやお前等に勝ち目はないと声高らかに笑う百獣海賊団の者達にルフィはニッと笑みを浮かべ言い放つ。
「馬鹿が、お前が下がれ。」
「何だよ!トラ男!俺がやるって言ってんだろ!」
「お前等2人共下がってろ!俺がやる!」
「ギザ男!てめぇー!」
こんな状況なのに痴話喧嘩を始めるルフィ、ロー、キッド。誰が1番早く戦艦に辿り着くかを競う様にルフィとキッドは我先にと飛び出して行った。
(トラ男?!)
(雨の中じゃ"ROOM"には敵わねぇ。)
(大体、ズルいんだよっ!お前の能力!)
(目立とうとしてんじゃねぇぞ!この野郎っ!?)