第35章 決戦の時
花子 side
拝啓、父上様、母上様、お姉ちゃん。
後、その旦那とちびっ子2名。
お元気ですか?私は今、"ワノ国"のお城にいます。
「どこじゃ、どこじゃぁ〜!」
何故か…将軍様とお座敷遊びをしています。
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「私が…将軍様の所に?」
「うむ。火祭りの日を前にオロチ将軍が花子殿にお目通りをしたいそうなのだ。」
私の元を訪れた狂死郎さんからオロチに会ってくれないかと言われた。何でも百獣海賊団に囲われている私を見てみたいらしい。
「…カイドウ、さんはなんて?」
「火祭りの日、当日に戻って来るなら花子殿に任せると。」
「でも私、これがあるからここから出られないですよ?」
逃亡防止に嵌められたブレスレット。これは無理矢理外すか私が鬼ヶ島から出たら爆発するもの。鍵はカイドウが持ってるし、万が一って事もあるからこれを外す事はしないだろう。
「それなら心配ござらん!これを。」
「…首輪?」
懐から狂死郎さんが取り出した物は以前、"シャボンディ諸島"で付けられた首輪に似ていた。
「これはクイーン殿が作った物でござる。無理矢理外すか起動のボタンを押せば内側から鋭い爪が飛び出し首が飛ぶ。」
「物騒っ?!」
あの肉風船なんちゅうもん作ってんのよ!?腕が吹っ飛ぶのも嫌だけどこれ確実に死ぬじゃん!
「カイドウ様がこれを着ける代わりに花子殿を連れて行って良いと。」
試す様な目で見つめる狂死郎さんにどうするか頭を巡らせる。ここにいても私は何も出来ない。だったら敵の大将の所に行って何か情報を掴む事が出来る筈。
「…私、行きます。」
「花子殿ならそう言ってくれると思ったでござる!」
ホッとした様な表情で笑顔を浮かべる狂死郎さんに違和感を感じる。本当に何を考えているか分からない人だ。
「それではカイドウ様の所に行くとしよう。」
「はい。」
将軍様の所に行くんなら少しは小綺麗にした方がいいよね?着替えるから部屋を出てもらおうと狂死郎さんに声を掛け様とした時、ドタドタと賑やかな足音と共に誰かが勢い良く部屋に入って来た。
(花子!(花子〜!絶対に駄目でありんすぅー!)
(ペー君、うるティちゃん?)
(オロチの所に行くなんて絶対駄目でありんす!)
(姉貴、どけっ!)