第35章 決戦の時
ロー side
「遂に明日ですね、キャプテン。」
「…あぁ。」
明日は決戦の日、失敗は許されねぇ。俺はクルー達に最終確認を済ませ明日に備える事にした。だが…俺には気掛かりな事が1つある。
「大丈夫だよ!キャプテン!花子なら元気でいるよ!」
「…そうだな。」
捕まったベポ達を助けに行き投獄された時、ホーキンスから花子の事を聞き出した。あいつは今、鬼ヶ島に囲われていると。
「たくっ…あいつは何でこう厄介な事に首を突っ込むんだ…。」
「まぁ…花子ですし。」
「そう言やぁ…花子と初めて会った時もあいつ、海賊に捕まってたなぁ。」
懐かしそうに話すペンギンとシャチだが内心は花子の事を心配してんだろう。
(花子と初めて会った時か…。)
初めはイッカクを庇って怪我をしたから治療の為に船に乗せた。別の世界から来たと言う変な女。只それだけだった。
「"不死鳥"のマルコと一緒にいた時は驚いたなぁ〜!」
「クリオネから聞いた時は焦ったぜ〜!何だよ、【今日は帰りません!】て!」
「突拍子無さ過ぎだろ〜!」
いつも真っ直ぐで、純粋な花子の存在が俺には眩しくてあいつと関わっていく内に特別なものになっていった。だから…これ以上関わっちゃいけねぇと思った。
ーロー君、大好き!ー
手に入らないから欲しいと思うだけだ…手に入っちまえばこの想いも失くなると…。だが、あいつが俺の事を好きだと言えば言う程俺の胸は高鳴り、気付けば手放せなくなるくらいに溺れちまっていた。
「"シャボンディ"の時は驚いたよ!」
「あぁ、何でオークションに売られてんのかと思ったぜ…。」
あいつが生きていたと知った時、俺がどれ程嬉しかったか。なのにあいつはまた俺の手を擦り抜けていっちまいやがった。
「絶対、花子を助けようね!キャプテン!」
「当たり前だろ。」
あいつは直ぐに厄介事に首を突っ込むから俺がこれからは守ってやるよ。
(待ってろよ。)
やっと見付けた特大のお宝、そう易々と逃してたまるかよ。
(でも、あいつの事だからまた誰かをタラし込んでんだろうなぁ〜…。)
(意外と良い感じだったりして…。)
(…"ROOM"。)
((例えっ!例えですって!?))