第34章 え?暇なの?
思わぬ協力者が増えルフィと雷ぞうは喜びを分かち合う。そんな時、雷ぞうがふと何かを思い出した様に口を開く。
「そうでござる、ルフィ殿!少々、耳に入れていて欲しい事がある。」
「ん?何だ?」
先程とは打って変わって真剣な面持ちの雷ぞうにルフィは首を傾げる。
「その…花の都で同志を集めていた花子殿なのだが…。」
「おぉ!花子は元気にしているのか?」
"ゾウ"を出てから大分日が経つ。最後に見た彼女は心配そうな顔で自分達を送り出したのは随分前の事。早く会いたいと顔を綻ばせるルフィに対し、雷ぞうはぐっと唇を噛み顔を顰める。
「花子殿は今…カイドウに捕まっている…!」
「?!おい!どう言う事だよっ!?」
絞り出された雷ぞうの言葉にルフィは目を見開く。何故、彼女がカイドウに捕まっているのか。花子は無事なのかと詰め寄るルフィに雷ぞうは分からぬと顔を俯かせる。
「花子っ…!」
ージルさんにっ…会いたいよぉっ…!ー
自分に縋る様に涙を流した花子。ドフラミンゴから助けに出せたのにと、ルフィは悔しそうに拳を握り締める。
「麦わらの人…その方はあんたの仲間なのか?」
「あぁ!そうだ!」
もしここにローがいたなら間髪入れず違う!と否定していただろう。余りのルフィの狼狽え様に目を丸くするヒョウ五郎に雷ぞうが口を開く。
「ヒョウ五郎殿!その花子殿はあの光月史郎殿のお孫様なのでござる!」
「何っ?!史郎の?!それは本当かっ雷ぞう!?」
「ん?じじい、花子のじいちゃんの事知ってんのか?」
史郎の名を耳にしたヒョウ五郎は驚愕する。唇は微かに震えその瞳には微かに涙が浮かんでいる様に見えた。
「そうか…史郎の…。」
「拙者達も初めは信じるられなかったでござる…。」
「おい!何なんだよっ!?」
嬉しさを噛み締める様な…だが、何処か遣る瀬無さを含んだ声色にルフィはまどろっこしそうに顔を顰める。
「麦わらの人…光月史郎の事は知っているか?」
「花子のじいちゃんだろ?モモの父ちゃんと一緒に海賊王の船に乗ってたって錦えもんから聞いた。」
「その後…奴がどうなったかは?」
ヒョウ五郎の問いにルフィは知らないと首を横に振る。ぐっと歯を食い縛りヒョウ五郎は重い口を開いた。