第34章 え?暇なの?
花子 side
只今、うちに猫が転がり込んで来てます。
「おい、灰皿。」
「…私、貴方の召使いじゃないんですが。」
いや、猫のだったらどんなに良かったか…。私の膝に頭を乗せフーズ・フーさんは短くなった煙草を差し出す。
「てか、すぐ側にあるじゃないですか。」
「そんなん起き上がらねぇといけねぇだろ。」
面倒臭ぇと、灰皿を催促する彼の何と横柄な事か…。膝にある頭を突き落としてやりたいが、後々面倒なので私は大人しく彼に従う。
「…仕事しなくていいんですか?」
「俺はあの糞餓鬼共と違って優秀なんだよ。」
とどのつまり、暇なのね…。ゴロンと身体をうつ伏せにしフーズ・フーさんは私のお腹に顔を埋める。
「…腹に肉付いたか?」
「ぶっ飛ばしますよ。」
失礼な事をほざく彼の頭を叩くがどうやらダメージは無い様子。猫の様に擦り寄る彼の髪を撫でるとゴロゴロと喉が鳴る音が聞こえてきそう。
「…兎丼に投獄された人達ってどうしてるんですか?」
「知らねぇよ、彼処はクイーンの管轄だ。」
ちぇっ…ルフィ君の事、何か分かるかと思って聞いてみたのに…役立たずめっ!特に会話が弾む訳でもなく手持ち無沙汰になり、フーズ・フーさんの髪を弄っていたら、頭を上げた彼の顔が近付いてくる。
「…手ぇ退けろ。」
「いやいや、何しようとしてんですか!?」
寸での所でフーズ・フーさんの口を手で覆い止めた私に不満そうな顔をしながら、彼は身体を起こし私の身体の両側に手を着き更に顔を近付けてくる。
「ぃだただだっ?!ちょっ、タンマ!」
「どうした?抵抗しねぇのか?」
ずっと正座をしていたから足は痺れその場から動く事が出来ない私をフーズ・フーさんはニヤニヤと意地悪い顔をし、ちょんっと足を突付いた。
「んっ…!ほんとにっ、やめっ…!」
「…。」
絶対、今のわざとでしょ?!完全に楽しんでるよねっ!?持てる力の全てを振り絞り肩を押す私の手首を掴み彼は私を押し倒してきた。
「煽ったのはてめぇだからな。」
「はぁっ?!」
ペロリと舌舐めずりをしニィと口角を上げるフーズ・フーさんに身の危険を感じた。
(っペー君ー!うるティちゃーん!)
(無駄だ、あの餓鬼共は(どうした?!)
(ヘルプッ!)食われるっ!
(てめぇー!花子に何しやがるー!)殺すぞっ!