第34章 え?暇なの?
兎丼に投獄されたルフィは脱出を試みるもそこで出会ったヒョウじいを人質に捕られ失敗に終わる。処刑されようとしていた2人の前に現れたのは百獣海賊団の幹部、大看板クイーン。彼は部下から海楼石の鍵が盗まれた事と、この騒動の発端がルフィである事を知った。
「さぁて…鍵泥棒は奴等に任せて…はぁこべぇー!」
クイーンの号令に彼の部下達が大きな土俵を運んできた。何が始まるのか首を傾げるルフィ達をよそにクイーンはその巨体を大きく飛び上がらせ土俵の上に着地する。
「クウィーン様のカラクリラァイブ!大相撲ぅ〜…インフェルノォー!!」
小粋なダンスと共に外野からは歓声が沸き起こる。何故、いきなり相撲を始めるのかとキョトンとするルフィ達の首に錠が嵌められた。
「今ぁ、お前等に着けたこの首輪ぁ…この石柱を自分と思えー!」
ニヤリと笑みを浮かべ人を描いた石柱を持ったクイーンはそれをポイッと放り投げる。土俵の外に投げ捨てられた瞬間、それは爆発し真っ2つとなった。
「ひと度土俵を割るとあの様に内側からすごぉい爪が飛び出しぃ〜…たちまちお前等の首は吹き飛ぉぶ!」
吹き飛んだ石柱を目にしルフィは無理矢理錠を外そうとするが簡単には外れない代物。ルールは、ルフィとヒョウじいが2人1組。対する相手は武器有り、数有り、首輪無し。助かるには相撲に勝ち続けるか、百獣海賊団に加入すればルフィだけは解放される。
「だから、お前等にもサービスしてやる!海楼石の錠は外してやるよ!」
クイーンの言葉にルフィの両手に嵌められていた海楼石の錠が外される。苦労して手に入れた鍵が偽物と知り、その様子を陰ながら伺っていた雷ぞうは目玉を飛び出させる。
「うほぉー!やったぁー!お前、めちゃくちゃ良い奴だなぁ!もう逃してくれたも同じじゃねぇか!」
「いや…首輪の事忘れてねぇか…?」
むしろもっとヤバい物を嵌められたと言うのに飛び上がり喜ぶルフィにクイーンは呆れた顔を見せる。
「待ってくれ!2人1組なら俺が麦わらさんの邪魔になっちまう。せめて1人ずつ「おい!風船!」
「がぁっ…!風船っ?!」
自分がいてはルフィの足手纏いになってしまうとルールの変更を申し出るヒョウじいの声を遮り、ルフィがニッと笑みを浮かべクイーンに向かって口を開く。
「お前をぶっ飛ばしたら…ここから逃してくれるか?」