第34章 え?暇なの?
モモの助の妹だと名乗る日和にゾロは今、自分達がやろうとしている事を話す。兄が無事だと知りトコと喜び合う日和達の声をよそに彼は眠りに着いた。
「大変っ!焚き木を!」
ゾロの腹を枕に眠ってしまったトコを見つめ微笑むが壁から吹き込む冷たい隙間風に身体を震わせる。寒さにくしゃみをするトコと身を縮めるゾロに自分の羽織っていた着物を掛けるも、それだけではこの寒さは凌げないだろう。
「…。」
何かを決意した表情を浮かべる日和はゆっくりとゾロに近付いて行った。
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「ナミさん達…ひょっとしたら戻ってたりして…。」
雪が舞い散る中、落ち武者の格好をしたブルックは寂しそうに肩を落とし呟く。彼は湯屋に向かったナミ達の帰りが遅い事を心配し、花の都に向かったが入れ違いになってしまい、もしかしたら既に戻っているのではないかと期待を胸に荒屋の戸を引く。
「ただい…えぇっー?!」
彼の目に飛び込んできたのは、大の字で眠りこけているゾロ。そして、彼に寄り添う様に眠る日和とトコの姿だった。
「誰ですか?!何ですかっ?!どどっどう言う事ですかぁー?!」
あの堅物のゾロが女と共寝をしている。まさかの状況に既に失くなっている目玉を飛び出す勢いでブルックは困惑している。
「…ブルックか…どうしたん…っ?!」
「ゾ…ゾロさんっ!何ですか!?その目玉の飛び出る様な状況はっ?!って、私骸骨だから目玉は無いんですけどっ!?」
目を覚ましたゾロは知らぬ間にくっ付いている2人に目を見開く。取り込み中、邪魔をしたと荒屋を出て行こうしたブルックをゾロは慌てた様子で引き止める。
「…ん…。」
「わぁ〜…美人…!恐れ入りますがパンツ見せていただいてもよろしいですか?」
騒ぎ立てる2人の声に目を覚ました日和とトコはブルックの姿に悲鳴を上げる。仲間だとゾロに宥められ取り敢えずは落ち着きを取り戻した。
(ぜってぇ花子に言うんじゃねぇぞっ!)
(そんな!ゾロさんが美人と床を共にしたなど口が裂けても言いませんよぉ〜!ヨホホッ!)
(ぶった斬るっ!)言う気まんまんじゃねぇかっ!?
(えぇっー?!)何でですか?!