第34章 え?暇なの?
ページワン side
最近、花子がおかしい…。いや、おかしいのは元からなんだが…何と言うかホケェ〜としてて上の空と言うか、心ここにあらずと言うか…。
「お前、どうしたんだよ。」
「ん?どうもしてないよ?」
後ろから抱え込んでいる花子の顔を覗き込んでみれば、いつもの笑顔だが何処か違和感を感じる。
「…また、あいつ等に何かされたのか?」
「あいつ等?」
「あのおっさん共だよ。」
花子に許して貰ってから調子に乗ったのかササキとフーズ・フーはよくここを訪れる。最近に至っては狂死郎も何かに付けて来やがるから、こっちは気が気じゃねぇんだよ!
ー人を誑かすのはお手の物でしょう。ー
ふとカン十郎の言葉を思い出す。別に誑かされてる訳じゃねぇ。けど、甘えちまうんだ…。
「…。」
「ふふっ、どうしたの?」
何度も頬にキスをする俺の頭を花子は擽ったそうに笑いながら優しく頭を撫でる。こいつは…温けぇんだ…。優しく包み込んでくれる温もりにどうしようもなく縋りたくなる。
「んっ…!」
甘い香りに誘われる様に花子の首筋に顔を寄せると、ピクリと身体を震わせ鼻から抜ける様な声に身体が熱くなるのを感じた。
「ちょっ…ぺーくっ…っ!」
(可愛い可愛い可愛いっ…。)
味わう様に唇を寄せ舌を這わせるとピクピクと震え身体を捻り抵抗する行動さえ可愛く思える。最後にぢゅっと強く吸い口を離せば、白い肌に栄える紅い痕が残った。
「もうっ…何してるの…?」
「花子…。」
花子の身体を横抱きにして頬に手を当て顔を覗き込む。潤んだ瞳は戸惑いと欲で揺れていた。
「可愛い…。」
「ンんっ…!」
ピンク色の唇に俺のをそっと重ね柔らかな感触を楽しむ。可愛い可愛い…俺の花子…。普通の暮らしはさせてあげられねぇけど…俺が必ず幸せにしてやる。
「はぁっ…。」
「なぁ…もっかい、いいか?」
ペロリと濡れた唇を舐めるそう尋ねると花子はかぁっと頬を赤らめ遠慮がちに頷いた。
「可愛い…。」
「ん…。」
今度は口内を味わう様に舌を挿し込む。答える様に必死に舌を絡ませる花子に俺の胸はギュッと締め付けられた。
(全部全部…俺のものだ…。)