第33章 ボスとのご対面
花子 side
「カイドウ様…花子をお連れしました。」
「入れ。」
大きな扉の外からでも分かる威圧感のある声に思わず身震いしてしまう。ゆっくりと開かれた扉の中は薄暗く一瞬入るのを躊躇ってしまう程、ピンッと空気が張り詰めていた。
「お前が花子か。」
(この人が…カイドウ…。)
部屋に明かりが灯され目の前の人物を私はゆっくりと見上げた。この人がシャンクスさんと同じ四皇の1人でルフィ君達の敵…。なんと言うか…。
(デカッ?!)
いやいやいやっ?!おかしいでしょ?!本当に同じ人間?!目の前にいるカイドウは大きな椅子に腰かけ、私を伺う様に見据えている。本当、この世界の人の身長基準バグり過ぎでしょっ?!
「…花子。」
「!…お初にお目にかかります。私が花子です。」
余りの大きさに圧倒されているとペー君に横腹を突かれ慌てて名前を名乗る。軽く私の説明をしたペー君は最後に私の頭を撫でると自分の場所に戻って行く。
「あのドフラミンゴが俺にも隠そうとした女だからどれ程のとのかと思えば…普通の女だな。」
(そりゃ、貴方から見たらね…。)
どうやらドフィは私の事をカイドウには伝えていなかったみたい。だとしたら、やっぱりルフィ君達の事を聞き出す為に私を呼び付けたの?
「お前、俺の取引相手を潰した餓鬼共の仲間らしいな。」
「…何の事でしょう?確かに彼等は私を助けてくれました。でも、それまで…私と彼等には何の繋がりもありません。」
「奴等が何を企んでいるか何も知らねぇと?」
「はい。」
今、ここで私が彼等の事を喋る訳にはいかない。だって、この作戦は錦えもんさん達が…20年間必死に耐えてやっと掴んだチャンスなんだもん。
「じゃあ…侍共が妙な紙を配り回ってるのも…火祭りの日にこの鬼ヶ島に討ち入りする計画を立ててる事も…お前は何も知らねぇんだな。」
「?!」
この計画は極秘に行われている筈…何処から情報が漏れたの?困惑しているのを悟られない様に息を殺していると、部屋に誰かが入ってくる気配がした。
「…どうなんだ?」
「この娘も…この計画に加担しております。」
聞き覚えのある声に思わず後ろを振り返り私は言葉を失った。そんな…何で貴方がここに…?
「そして…この娘は…あの光月史郎の血縁者です。」