第33章 ボスとのご対面
ローの持つ紙を覗き込みウソップとフランキーは首を傾げた。そこには耳の様な三角が2つ生えた丸、手錠の様なマーク、そして土下座をする棒人間の様なマークが記されていた。
「何だぁ?この落書きは?」
「おい…トラ男、これは…!」
「あぁ…間違いねぇ。」
「何だよ?お前等、これが何か知ってんのか?」
どう見ても子供の落書きにしか見えないそれを、サンジとローは神妙な面持ちで見つめていた。
「これは…花子ちゃんが書いたもんだ。」
「花子が?!」
「あぁ…それも厄介な事になってやがる。」
「どう言う事だ?」
何故これが花子が書いた物であるか分かるのかも疑問だが、焦りの色が伺えるローとサンジに2人は口を閉じた。
「よく見てみろ!何を意味してるか分かるだろ!」
「…いや、分からねぇよ?!」
「どうやら花子は…カイドウに捕まっちまったみてぇだ。」
「「?!」」
角が生えた様な顔は百獣海賊団。手錠のマークは捕まったと言う意味。そして、土下座をする棒人間はその事を謝っている事を表していると説明する2人に目を見開く。
「いやいやいや!流石にそれはありえねぇだろ!?」
「間違いねぇ。」
「仮に内容がそうだとしても何でこれが花子が書いたって分かるんだよ?!」
「俺があいつのを間違う訳ねぇ。」
「俺が彼女のを間違う訳ねぇだろっ!」
「色々怖ぇよっ!お前等っ!?」
さも当たり前の様に答える2人にツッコミを入れるウソップには目もくれず、ローとサンジは荒屋を出て行こうとした。
「おいっ!何処に行くんだよ!」
「決まってんだろっ!」
「花子を助けに行く。」
もし、自分達との関わりがバレればカイドウは花子から情報を聞き出そうとするだろう。最悪、拷問をされるかもしれない。
「待て待てっ!まずは錦えもんに連絡を取ろうぜ!」
「そんな悠長な事言ってる場合かっ!?」
「こうしている間にも花子ちゃんはっ!」
一刻も早く花子を助け出したい気持ちは分かるが、もしかしたら敵の罠かもしれない。まずは情報を集めるのが先だ。今にも飛び出して行きそうな2人を宥めるウソップとフランキーに、ローとサンジは悔しそうに顔を歪め唇を噛んだ。