第33章 ボスとのご対面
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結局、風呂場に乱入してきた姉貴に2人の事がバレちまった。怒り狂い怒鳴り散らす姉貴を宥めるのは、本当に骨が折れる…。
「離せっ!あいつ等っシバキ殺してやるっ!!」
「怒んないで、うるティちゃん…。」
「キレんだろうーっ!?」
こうなるから嫌だったんだ…!今にもあいつ等の所に飛び出して行きそうな姉貴を羽交い締めにし、暴れ回る姉貴に対し心の中で愚痴を溢す。
「何でお前、そんな冷静なんだよっ!?」
「そりゃあ、私だって腸が煮えくり返るぐらい怒ってるよ。2人のをちょん切ってやりたくなるぐらい。」
目を細めほくそ笑む花子の笑顔は冷たく、感情の無い声にゾクッと背筋が凍った。
「でも…彼等も一応、仲間でしょ?私のせいで揉めて2人がカイドウさんに怒られるのは嫌だもん。」
何で…何でそんなに笑ってられんだよっ…!花子が1番怖ぇ思いしたのに…こいつが…1番辛い筈なのに…。
「…馬鹿だろ、お前。」
「えぇ〜…ペー君、酷いなぁ〜。」
「馬鹿っ!花子は馬鹿でありんすっ!」
お人好しの花子に呆れ俺と姉貴は溜息を漏らす。そんな俺達の反応に苦笑いを浮かべた花子は何か思い出した様に口を開いた。
「そう言えばあの2人が言ってたんだけど…。」
「何言われたんだ!?」
「落ち着け、姉貴…。」
「自分達がここに来たのはカイドウさんの命令だって…ペー君達は、何か知ってる?」
「「?!」」
花子の言葉に俺達は目を見開いた。その反応に何か察し、じっと俺達を見つめる花子に重い口を開く。
「…お前の事がカイドウ様にバレた。」
「ペーたんっ!?」
「仕方ねぇだろっ!」
花子を危険な目に合わせたくなくて有耶無耶にしていた結果がこれだ…。こんな事ならもっと早く行動に起こすべきだった。
「近い内に…お前をカイドウ様に会わせる事になる。」
何故、カイドウ様が花子に会いたがっているのかは分からねぇ。けど、このまま無視し続けたらもっと花子に危険が迄ぶ。
(俺は…どうしたらいいんだ…。)
もし、今ここで花子を逃したらこいつはいつもの平穏な暮らしに戻れるかもしれねぇ…。けど…。
(それでも…手放したくないんだ…。)