第4章 この苛立ちは君のせい
花子 side
サボ君のキラキラオーラに呆然としていると、突然ロー君が現れた。買い物から帰ってきたんだぁと思ってたらあの不思議能力によりポーラータング号の甲板に移動させられた。
「どわっ?!…て、キャプテン?花子?」
「ただいまぁ~…ってロー君!引っ張んないでよ!」
「…。」
突然現れた私達に驚いているバンダナに声を掛けたら、私の腕を掴んだロー君がズンズン歩き出す。
「ロー君!ねぇ、ロー君てば!」
「…。」
無言で歩いているロー君に引き摺られる様な形で私は彼の後を追う。何も答えてくれない。只分かるのは…。
(めっちゃ怒ってる?!)
えっ?私また何かした?!先日のマルコの時みたいにドス黒いオーラを放つロー君に私の頭は混乱状態。
(えっ?何?暇だからって勝手に掃除したのが駄目だった?もしかして…。)
さっき貰った宝石を黙ってくすねたの怒ってる?!でも、あれは取っておきたいなぁ…。だって、あれは。
(ロー君の瞳と同じ色だから…。)
我ながら未練たらしいなぁと思いながらお願いしたら良いよって言ってくれるかな?
「ロー…ぶっ!?」
「…。」
突然止まったロー君にぶつかってしまった。鼻が痛い…。鼻を押さえて見上げればそこはロー君の部屋の前。部屋?医務室じゃ無くて?まさか…!
(噂に聞く"バラバラの刑"にされる?!)
ロー君の機嫌が悪い時とか、間違えて梅干し入りのおにぎり食べさせちゃったりするとバラされるってシャチが言ってた気がする。私はまだ見た事無いけど名前だけでも恐ろしい…!
「ロー君!ちょっ、まっ!落ち着こう!」
ぐぐぐっと足に力を入れ抵抗するけどロー君の力に敵う筈も無く、あっさりと部屋の中に引き摺り込まれた。
「わっ!?」
乱暴にベットに投げ捨てられ私は今まさにまな板の鯉状態。
(せめて…痛くない様にお願いします…。)
こんな事なら辞世の句ぐらい考えとけば良かった…。自分のボキャブラリーの無さを恨んでいると、ベットの軋む音が聞こえ恐る恐る目を開けた。
「え?」
何々?!どう言う事?!全然頭が付いていかない!?
(何で私、ロー君に押し倒されてんの?!)
めっちゃ顔、怖いけどっ!