第32章 デジャブ?
花子 side
「さぁてと…お前とぺーたんの馴れ初めはこのぐらいにしとくか…。」
「いや!ひとっつもそんな話してなかったですよね?!」
只、あんた等2人が酒飲んでウザ絡みしてただけだよね?!大きな盃に入っているお酒を一気に飲み干しササキさんはニヤリと笑みを浮かべる。
「何故、俺等がここに来たと思う?」
「…ペー君をからかいに来たんですか?」
「俺等もそんなに暇じゃねぇよ。」
「それに俺等も飛び六胞だぜ?あいつが今日、ここにいねぇ事ぐらい確認済みだ。」
だったら何しに来たのよ…。いい加減鬱陶しくなってきて顔を顰めた私を見て、今度はフーズ・フーさんが口を開いた。
「お前、ドフラミンゴに囲われてたらしいな。」
「…それを聞いてどうするんですか?」
「あの野郎がカイドウさんにも隠してたんだ。…よっぽとの利用価値があるんだろ?」
「ぅわっぷっ?!」
煙草を肺いっぱいに吸い込むとフーズ・フーさんはそれを一気に私に吹き掛けてきた。臭っ?!元喫煙者だけど臭っ?!
「けほっ…!ごほっ!」
「それとも…アッチの具合がイイのか?」
「っ!?」
大量に吹き掛けられた煙に咳き込み、滲みる目を薄く開くと彼は愉快そうに笑っていた。その顔が何だかドフィを馬鹿にされた様に思えて、頭に血が上った私はフーズ・フーさんから煙草を奪いとり、煙を思いっきり吹き掛けてやった。
「てめっ、何しやが「っ…そんな陳腐なお誘いに私が乗ると思わないでよっ…!」
この煙草キッツー!どんだけキツい煙草吸ってんのこの人!?
「げほっ!ぅえっ…!」
「くくっ!餓鬼には早かったか?」
「…。」
「どうした?フーズ・フー。」
年増って言ったり餓鬼って言ったり、どっちよ!?後、ササキさんとはあんまり年変わらんわっ!?若干、クラクラする頭でフーズ・フーさんを睨み付けたら、彼は何も言わず私の顎を掴んだ。
「お前…この意味知ってんのか?」
「けほっ…意味ぃ…?」
そんなの知るかっ!只、からかってただけじゃないの?涙が浮かぶ目元を擦ろうとした時、フーズ・フーさんの顔が目の前にあった。
「…男が女の顔に煙を吹き掛けたらなぁ。」
(【今夜、お前を抱く】って意味なんだよ。)
(そして女が顔に吹き返したら…それを断ったって事だ。)