第32章 デジャブ?
ページワン side
(くそっ!何がお蕎麦マスクだっ!ふざけやがって…!)
俺達に逆らったらどうなるか見せしめで、花の都にいる蕎麦屋のサン五郎とか言う奴を始末しに行ったが奴はいなかった。変わりにお蕎麦マスクとか言うふざけた野郎が現れた。
(そう言や…あの男、花子の家から出てきたな。)
顔までは確認出来なかったがあの男の着物には覚えがある。壊れ物を扱う様に花子に触れた男。今、思い出すだけで腹が立つ!
「カッコ悪ぃ…。」
結局、お蕎麦マスクも取り逃がしちまったし、せめてあの男だけでも殺しておけば良かった。こんなボロボロじゃあ花子に会いにも行けねぇ…。
「ページワン様っ!」
屋敷に戻ると女中が焦った様に俺に駆け寄ってきた。苛立ちを抑えられずそいつを睨み付け伝えられた事実に俺は言葉を失った。
ーーーーーー
(何でっあいつ等がっ!?)
女中から話を聞き俺は花子の部屋に急いだ。花子の事はカイドウ様に言ってねぇ…。じゃあ…何で?
ーぺーたん♡早く花子の所に帰るでありんすぅ~!ー
(姉貴かぁあぁぁっ!?)
花子が来てから姉貴の奴、事ある事に花子の名前を出してやがった!あいつ等っ、興味ねぇ振りしてしっかり聞いてやがったのか!
「くそっ!」
花子の部屋の前に辿り着き襖を開けようと手をかけた時。
「んぐっ…ン"んっ!」
苦しそうにくぐもった声、粘着質な水音。そして、荒い息遣いに俺の身体は凍り付いた。
「はっ…!俺の誘いを断った割にはしっかり咥え込んでんじゃねぇかっ!」
「ン"ん"っ!」
「おい、フーズ・フー…っあんまヤリ過ぎんじゃねぇぞっ!あいつが挿れる前にガバガバになっちまうっ…くっ!」
「っ!?」
全身の血が沸騰するみてぇに熱い。怒りでどうにかなっちまいそうなのを必死で抑え、俺は勢いよく襖を開いた。
「よぉ、ぺーたん…今、帰りか?」
「ん"ンーッ!」
「悪ぃなっ…一足先に楽しませて貰ってるぜっ。」
奴等の汚ねぇもんを全身に浴び後ろからフーズ・フーに腰を持たれ、ササキのモノを口に咥え涙を流す花子の姿を目にし、俺の中で何かが切れた…。