第32章 デジャブ?
花子 side
今日はペー君もうるティちゃんもお仕事でいない。仲の良い2人がいないと何だかこのお屋敷も静だなぁ…。
「お待ちくださいっ!」
(ん?)
焦った様な女中さんの声。バタバタと慌ただしい足音と一緒にゆっくりと床を踏み締める音が外から聞こえる。
「ここから先はページワン様に誰も通すなと言われておりますっ!」
「あんな糞餓鬼の言う事なんか知るか。」
「俺等はカイドウさんの命で来たんだぜ?」
「しかしっ!」
(カイドウ…?)
声の感じからして男の人2人?ぺー君に何か用があるのかな?ゆっくりと近付いて来る足音に聞き耳を立てていたら、突然襖が開いた。
「うわっ?!」
「あ?こいつか?」
「随分、小せぇな。」
小さいは余計だよっ!?襖に寄り掛かっていたから支えを失い、そのまま廊下に倒れ込んだ私の目の前には大きな足が4本。
(でかっ?!)
本当にこの世界の人の身長の基準どうなってんの?!長いお御足を伝い上を見上げると、そこには赤いマスクに赤いスーツを着た巨人と、一升瓶片手に恰幅の良い身体の巨人がいた。
ーーーーーー
「んで?お前、ぺーたんと何処までいったんだ?」
「おいおい、ササキ。あの餓鬼だぞ?まだ手も握ってねぇんじゃねぇか?」
(何故、こうなった?!)
あの後、巨人2人は私の部屋にズカズカと入ってきて宴会を始めやがった。どうしたら良いか分からず呆然とその様子を眺めていたら、酌しろなんてほざきやがり、あれよあれよと言う間に巨人2人に挟まれてしまった。
「それにしても小せぇなぁ。お前、年は?」
「…30ですけど。」
「30?!ババアじゃねぇか!」
「…そのピンクの毛、毟り取りますよ。」
緑の巨人ササキさんに年を聞かれ、赤い巨人フーズ・フーさんはぎゃははっ!と笑い声を上げる。てか、ババアって失礼なっ!?あんた等より年下だわっ!
「まさかぺーたんがこんな年増が好きだとはなぁ~!」
「今、全世界の30代女性を敵に回しましたよ!?」
もう、嫌っ!ペー君、うるティちゃん早く帰ってきてっ!ニタァっと嫌な笑みを浮かべ酒をかっ食らう2人に私のHPは既に真っ赤に染まっていた。