第32章 デジャブ?
花子 side
拝啓、父上様、母上様、お姉ちゃん。
後、その旦那とちびっ子2名。
お元気ですか?私は…。
「俺が…お前を守るから…。」
また、拐われました…。
ーーーーーー
ふわふわとした心地のよい肌触りに包まれながら目を覚ます。目の前には見覚えの無い天井。起き上がり辺りを見渡すと、そこは宿だろうか…高価そうな家具が配置されている。
(ここは何処?)
朝は普通にご飯食べて、それから薬を納品して…その後サンジ君のお店に行って…その時ルフィ君の事を聞いて。
(家に帰って薬を作ってたらペー君が来たんだよね…?)
まだ覚醒しきれていない頭で今までの事を思い出していると、襖が開き入って来たのはペー君だった。
「…目、覚めたんだな。」
「ペー君!」
知っている顔に思わず安堵していると、ペー君は少し気まずそうな顔をしながら私の隣に腰を下ろした。
「身体は大丈夫か?」
「うん。」
ここが何処か尋ねるとペー君の住んでいるお屋敷だと教えてくれた。ん?何で私ペー君のお家にいるの?
ー俺は百獣海賊団の飛び六胞の1人…カイドウ様の部下だ。ー
「あ…。」
「思い出したか。」
そうだ…ペー君には私がルフィ君と関わりがあるのではないかと疑われている。だとすると、彼等の情報を聞き出す為に私を…?
「お前の事は少し調べさせてもらった。…前はドフラミンゴの所にいたんだな。」
「いたと言うか、拐われたと言うか…。」
これで3回目だよ!?初めは"シャボンディ"、次はドフィに…。いい加減にしなよっ!私っ!?
ーお前はっ、またフラフラとっ!ー
(怒られる…。)
「前にカイドウさんからドフラミンゴが女を囲っていると聞いたが、まさかお前だったとはな。」
顔を歪め怒り狂うロー君を思い浮かべ思わず身震いする私の頬にペー君がそっと手を添えた。
「…私は何も知らないよ。」
「安心しろ。お前の事はカイドウさんには言ってねぇよ。」
私の事がカイドウの耳に入ればルフィ君達の事を聞き出そうとするだろう。もしかしたら、拷問されるかもしれない…。
「俺が…お前を守るから…。」
感ずいている筈なのに…私を見つめるペー君はとても優しい目をしていた…。