第31章 おかえり…ただいま
サンジ side
2年振りに会った花子ちゃんは更に美しく可愛らしくなっていて、またこうやって一緒にいられる事が凄ぇ嬉しい。
ーお帰りなさいっ…!ー
(可愛かったなぁ…。)
「ねぇ、お兄さん!」
何度も会いたいと、抱き締めたいと思った彼女が側にいる。溢れ出す幸福感に蕎麦を作る手も軽やかに感じていると、蕎麦を待つレディが俺に声をかけた。
「どうかしました?お姉様?」
「やだ、お姉さん何て年じゃ無いわよ!あの子、あんたの恋人かい?」
彼女の目線の先にはロビンちゃんと楽しそうに話をしている花子ちゃんの姿。
「…いや、違うよ。」
「そうなの?熱い抱擁をしていたみたいだけど。」
「彼女は俺の…大切な人さ。」
彼女の笑顔を守る為なら…俺はナイトにでもなってやるさ…。
ーーーーーー
やっと店も一段落着き俺は花子ちゃんの為に最高の1杯を作った。
「お待たせ。花子ちゃんの為に作った俺の愛情たっぷりの蕎麦だよ!」
「わぁっ!美味しそう!」
蕎麦を受け取ると花子ちゃんはハート型に切った人参を嬉しそうに箸で挟む。贔屓だとウソップとフランキーが文句を垂れるが、俺のハートは全部彼女のものだ!
「っ!」
「花子?」
「おいおい、泣く程美味ぇのかぁ~?」
「花子ちゃん?」
ちゅるりっと可愛らしい音を立て蕎麦を食べる花子ちゃんの目から涙が溢れ落ちた。てか、ウソップ!そんな乱暴に頭を撫でるなっ!汁が溢れて彼女が火傷するだろっ!?
「うんっ…!すっごく、美味しいっ!」
「…。」
「良かったぁ…サンジ君が戻ってきてくれてっ…!また、サンジ君のご飯食べられてっ…嬉しいっ!」
ポロポロと彼女が流す涙が頬を伝いポチャンと蕎麦に水紋が広がる。俺の飯を食って喜んでくれる花子ちゃんに胸が締め付けられた。
「花子ちゃんの為なら毎日でも蕎麦を作るよぉ~♡」
「いや、流石に毎日は飽きるだろう…。」
「うぅ~…たまにはうどんがいい~…。」
「そこじゃねぇっ!?」
うどんだろうが何だろうが、花子ちゃんの為なら365日、3食好きな物を作るよ!
(だから…俺の隣で笑っていて…。)
只…君の笑顔が見たいんだ…。