第31章 おかえり…ただいま
新世界にある島、"スフィンクス"。元白ひげ海賊団1番隊隊長"不死鳥"のマルコに会う為、ネコマムシは部下を連れこの島を訪れた。
「にゃにゃにゃ~!花子のお陰ですぐに辿り着けたぜよ。」
ネコマムシの掌には花子から借りたマルコのビブルカード。そのお陰で彼等は難なくマルコの居場所を突き止める事が出来た。
「ゆガラらはここで待つぜよ。わし、1人で言ってくる。」
「でも、旦那。」
自分達も着いて行くと言う部下達を、積もる話しもあるのだと制しネコマムシはビブルカードが示す方へと足を進めて行った。
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"スフィンクス"にあるのどかな村。ここでマルコは医者として暮らしていた。
「よし…治療は終わりだ、もういいよい。無理するな。」
マルコの"再生の炎"で治療された人面羽毛ライオンは包帯が巻いてある足を恐る恐る地面に付け立ち上がる。
「"再生の炎"は他人に大きな影響は及ぼさない。手当てはしたし、再生速度も上がった筈だ。明日には飛び跳ねられる。」
「わぁっ!マルコの魔法!よかったね!タマ!」
タマと呼ばれた生き物は嬉しさの余り大きな身体を飛び跳ねさせ、側にいた少女も元気になったタマの姿に笑顔を見せる。
「明日と言っただろうが!飛ぶな!」
「ありがとう~、マルコ!大好き~!」
タマの背に乗り去っていく少女に笑顔で手を振り、道具を片付けたマルコは家の側の丸太に腰を下ろすネコマムシに近付いていった。
「待たせて悪かったな。」
「構わんぜよ。」
隣に腰を下ろすマルコにネコマムシは1枚のビブルカードを差し出した。それを見つめマルコは目を丸くする。
「俺のビブルカード?何でお前が?」
「花子から預かったんじゃ。勝手に渡してすまんと言っちょった。」
きゅるんっと小首を傾げ謝る花子を想像しマルコは受け取ったビブルカードを見つめ笑みを溢した。
「花子は…元気か?」
「おう、元気ぜよ。今は"ワノ国"におるがな。」
「"ワノ国"に?」
"ワノ国"は今、カイドウの縄張りとなっている。何故、そんな所に彼女がいるのか。ネコマムシから語られる事実にマルコは言葉を失った。