第30章 Let's 就活!
サンジ side
結婚式をぶっ壊した俺達を怒り狂ったビッグ・マム海賊団の猛撃が襲い掛かる。今回の主犯カポネ・ベッジの能力"ビッグ・ファーザー"に逃げ込んだ。
「凄ぇなベッジ!こんなでけぇ城になれるなんて!」
「喜んでる場合か!状況を考えろ!くそっ!俺達の1年以上かけた【暗殺作戦】は失敗に終わった!暗殺をしくじったのは初めての経験だ!」
苦虫を噛んだ様に顔を歪めるベッジ。作戦は失敗に終わり、今まさに俺達が生きている事は奇跡に近い。
「この城は【俺】だ。強固だが無敵じゃねぇ。城が破壊されりゃ俺は死ぬ。そうなれば城は消え、外に放り出されたお前等も怪物共の餌だ!」
ここに留まれるのも時間の問題。だが、外に出れば混乱状態のビッグ・マム、そして億越えの幹部達に何処まで耐えられるか…。
「っ?!うぐあぁっ!?」
「どうしたの?!あんたっ!?」
突然、ベッジが胸を押さえ踞る。それと同時に城は大きく揺れ外からビッグ・マムの怒号が聞こえてきた。
『お前、俺を裏切ったってぇ?!ベッジィイィー!出てこぉいっー!』
「くそ!あのババア…!大砲くらいならビクともしね"ビッグ・ファーザー"の防御力が全く通じねぇ…!ぐあぁっ!」
「あんたっ!?」
俺達の代わりに攻撃を受けているベッジは、血を吐き床に崩れのた打ち回る。ベッジを守る為、外に飛び出そうとするルフィをチョッパーが取り押さえ、ナミさんが宥めている。
「返す刀で戦わないで!私達はサンジ君を連れ戻す為にここへ来たんでしょ?ポーネグリフの写しも手に入れたし、サンジ君の家族を救いたいって望みも叶った!私達の目的は果たしたのよ!」
「じゃあ、どうすりゃいいんだ!?俺達の分の攻撃受けてんだぞ!?」
ここで飛び出せばベッジはこれ以上苦しまずに済むかもしれねぇ。だが、怒り狂ったビッグ・マム海賊団と戦って無事でいられるのか?
ーサンジ君。ー
(花子ちゃん…俺はどうしたら…。)
君の元に戻ると決めた。だから、ここで死ぬわけにはいかねぇっ!ぐっと歯を食い縛り顔を歪める俺の前にジャッジが現れた。
「1つ答えろ…サンジ。」
「…何だ。」
今、てめぇに構っている暇はねぇ。そんな意味を込めて睨み付ける俺をジャッジは顔色1つ変えず見据える。
「何故助けた。まんまと敵の罠にかかった憎き仇の我等を…!」