第30章 Let's 就活!
サンジ side
なおも食い下がるルフィに俺はジャッジにクソじじいやバラティエの奴等、そしてジルのおっさんを人質に取られている事を話す。そして、数時間後に行われる結婚式で、俺の家族や兵士達その全てが殺される事も。
「何の恩もねぇ…むしろ恨みしかねぇクズ共だが、俺はあいつ等を見捨てることは出来ねぇ。だから俺はお前等と一緒に帰れないんだ…理解したら消えてくれ。」
「ごちゃごちゃ、うるせぇな!」
俺が一緒に行けない理由を説明すると、ルフィは痺れを切らせた様に俺の頬を殴り付けた。
「本心を言えよ!なんだ、今更!此処まで来て!お前の言いたい事はそんな事じゃねぇだろ!」
「っ!」
「お前の本当の気持ちを言えよ!」
あの時は悪かったな。ナミさんは大丈夫か?花子ちゃんを頼んだぞ。お前等との冒険は楽しかった。色んな言葉が頭を駆け巡るが、俺の気持ちは1つ…。
「サニー号にっ…帰りたいっ…!」
「他にはっ!?」
「お前等と冒険してぇ!お前等に飯を作ってやりてぇ!お前が海賊王になる姿をあいつ等と一緒に見たいっ!」
出来る事ならこのままルフィと帰りたいが、俺の手首には爆弾を仕込んだ腕輪が嵌められている。それに、俺が逃げ出せば…。
「どうしても逃げ出す勇気がねぇんだ!式が始まったら…もう俺1人じゃ止められねぇのに、家族だとも思わねぇあのクズ共を俺は助けたいと考えてる…!矛盾してるんだ!」
「それがお前だろ!」
涙を流し泣き叫ぶ俺は、まるで聞き分けのねぇ餓鬼みてぇだ。そんな情けない俺をルフィは受け止めてくれた。
「大丈夫だ!俺達がいる!皆で式をぶっ壊そう!」
お前はいつもそうだよな…。考えなしに突っ走って、嫌なもんを全部吹き飛ばしちまうんだからよ。
「それに、お前を連れ戻せなかったら花子が泣く。」
「…花子ちゃんが?」
「だからお前を連れ戻す訳じゃねぇけど、俺はあいつに泣いて欲しくねぇ!」
優しい彼女も一緒に行きたいと言ってくれたが、足を怪我して歩けねぇから"ワノ国"で待つ様に言ったらしい。…ん?足?
「おい、ルフィ…足を怪我したってどう言う事だ?」
「あいつ、ミンゴの所にいた時によぉ~。」
彼女の話を聞いて、何故"ドレスローザ"に残らなかったのかと過去の自分を蹴り飛ばしたくなった。