第30章 Let's 就活!
花子 side
拝啓、父上様、母上様、お姉ちゃん。
後、その旦那とちびっ子2名。
お元気ですか?私は今、昔の日本の様な町並みの国に来ています。新しい場所で心機一転!と行きたい所ですが…。
「うちは間に合ってるから他当たってくれ。」
人生初の就職難民になりました…!
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桜舞い散る花の都。討ち入りの日がくるまで皆は、それぞれ自分の特技をいかして頑張っております!ウソップ君はガマの油売りのウソ八、ロビンちゃんは芸者見習いのおロビ、フランキーさんは大工見習いのフラの介、ゾロ君は浪人のゾロ十郎。因みにロー君も浪人としてベポ達と別の国に潜伏中。
「また駄目だったぁ…。」
各言う私も薬売りとして何か情報を集め様とお店を回っているけど、素性の分からない女の薬なんて誰も買ってくれる筈も無く、今はロビンちゃんやウソップ君のお店にお試しの様な感じで薬を置かせて貰っている。
(在庫も残り少なくなってきたなぁ…。)
懇願する私を哀れに思って、たまぁに買ってくれる人もいてポーラータング号である程度作った薬も残り僅か。でも薬を作る道具を買うにはまだお金が足りず、いっその事薬屋に就職しようとしたのだが、冒頭の通り見事撃沈…。
「お、花子じゃねぇか。」
「…ゾロ十郎君。」
肩を落とし町をフラフラと彷徨っていると正面からお酒の入った瓢箪片手にゾロ君が声をかけてきた。
「ゾロ十郎君、何でお酒なんて買ってんの?」
「今日は大勝ちしたからな、祝い酒だ。」
浪人であるゾロ君の主な収入源は偉い人の用心棒と後、賭博らしい。確かに人間離れした彼の動体視力なら賽子の目を当てる事なんて簡単だろうけど…。
「何かムカつくっ…!」
「お前は大変そうだなぁ~。」
サニー号にいた時はナミちゃんがお金の管理をしていたらしい。堅実な彼女の事だから大金を彼等に渡す様な事はしないだろう。ケラケラと笑うゾロ君の顔は実に腹立たしく、思わず心の声が漏れてしまった。
「お前の欲しいもん買ってやろうか?」
「いいのっ?!」
思わぬゾロ君の厚意に驚いてしまったけど本当に困ってたから、藁にも縋る思いで遠慮無く甘えさせて貰う事にしたけど、ニヤリと悪い顔をした彼にその選択は間違いだと後悔した。