第30章 Let's 就活!
やっとの思いで"ワノ国"に辿り着いたハートの海賊団及び、麦わらの一味一行はルフィ達と合流するまでの間、花の都にて情報収集の為に潜入する事にした。
「それではお頼み申す!我等は顔が割れておる故、都には立ち入られぬのだ。」
ゾロとローは浪人。他のメンバーも錦えもんの計らいで職は決まっている。早速、装いを変えようと彼等に葉を手渡した。
「来るべき時がくるまで呉々も問題は起こさぬ様!」
「ねぇ。」
「鎧兜じゃないのかぁ?」
「あの様な物を身に付けておっては目立つでござる!」
「ねぇっ!」
あれよあれよと話が進む中、花子が声を上げる。どうしたと、視線を集める彼女だったがその顔はとても不満そうだ。
「私は?」
「「「あ。」」」
ジルの所で働いていたとは言えど、最近歩ける様になった花子に配膳等の仕事は大変だろう。何より1人にさせると絶対に問題を起こすと麦わらの一味、そしてローは頭を悩ませている。
「私と一緒に芸者する?」
「わぁっ!楽しそう!私、芸者さんやってみたかったんだよねぇ~!」
「「却下。」」
「何でっ?!」
そんな何処ぞの馬の骨とも分からぬ男の相手をさせられるかと、却下をするゾロとローに花子はムッと頬を膨らませ睨み付ける。
「俺の仕事っつってもなぁ~…。」
「お前、大工仕事だろ?確実に屋根から転げ落ちるぞ。」
「んじゃあ、俺と来るか?」
「客商売は駄目だ。」
「…ねぇ、働かせる気ある?後、ゾロ君失礼!」
あれも駄目これも駄目と全くOKを出さない2人にいい加減怒り出しそうな花子を見かねて、ロビンが助け船を出した。
「薬売りはどう?」
「それなら私にも出来そう!」
「おい、客商売は「トラ男君。」
またも口を出そうとするローにロビンがにっこりと微笑み彼を宥める。
「花子の事を側に置いておきたいのは分かるけど、貴方もずっと彼女といる訳にはいかないでしょ?」
「…。」
「それに…余り束縛が激しいと嫌われるわよ。」
ぐっと言葉を詰まられたローは仕方無さげに首を縦に振り、ゾロも芸者よりはマシかと納得する。取り敢えずは薬売りの花子として彼女も都に潜入する事が決まった。