第29章 俺の事なんて忘れて…
サンジ side
プリンちゃん、可愛かったなぁ~♡あのビッグ・マムの娘とは思えねぇ程の可憐さだ!あの子が俺のお嫁さんになる。いつもだったら泣いて喜ぶ筈なのに…俺の心は高鳴らねぇ。
(それは…あの子がいるからか…。)
小鳥が囀ずる様な楽しそうな声も、甘くお菓子の様な柔らかい笑顔も、俺に甘える可愛らしい仕草も、あの野郎を想い流す涙も…。
(花子ちゃんの全てが俺を魅了する…。)
今、何をしてるだろう?ルフィ達と一緒に"ワノ国"向かったのかな?俺の事、考えてくれているかな…?
ー…俺は今でも花子が好きだ。ー
ローはずっと彼女の事を想っていた。もしあの野郎が彼女に想いを伝えたとしたら…。
「はぁ~…何で俺はあんな事、言っちまったんだ?」
あの時の自分の言動にその場にしゃがみ込み頭を抱える。彼女を好きだと言ったローにホッとしたのは本当だ。彼女が幸せなら…。
ーサンジ君…。ー
(ぜってぇ…嫌だ!)
本当は、誰のものにもならないで欲しい。トロけてしまいそうに名前を呼ぶ甘い声も、愛おしそうに見つめる眼差しも、優しく微笑みかけるのも…俺であって欲しい…。
「うおぉーっ!もし花子ちゃんがあの野郎とよりを戻してたらっ…!」
茶会には出席するが結婚は芝居だ。プリンちゃんには申し訳ねぇが、俺は全てが終わったら船に戻る。彼女にもそれは伝えている。それに…。
ー俺には…心に決めた子がいるんだ。ー
ー…その人は、サンジさんにとって大切な人?ー
ーあぁ。例え俺のものにならなくても…俺は彼女の笑顔を守りたい。ー
そう言った時、プリンちゃんは悲しげに笑ってた。でも、俺の想いを知って欲しかった。例え彼女の隣にいるのが俺じゃ無くても…花子ちゃんが幸せそうに笑っているなら…。
「…なんて…綺麗事か…。」
正直、腸が煮え繰り返るぐらいムカつく!彼女の隣に俺じゃねぇ野郎がいるなんて。まりも野郎なんて論外だ!
「あぁー…!マジで、本当に何で俺はあんな事言ったんだっ?!」
もし花子ちゃんとより戻してたらあのクソ野郎…千枚おろしにしてやる!?
「待っててね…花子ちゃん。」
君のプリンスは…必ず戻ってくるから!