第29章 俺の事なんて忘れて…
花子 side
私達はロー君の船で"ワノ国"に向かっている。麦わらの一味は潜水艦が初めてなのか物珍しそうに見学してた。特にフランキーさんなんてハートの整備員の人と熱く語り合っていたのは記憶に新しい。
「よぉ、花子。マジックチェアの乗り心地はどうだ?」
「フランキーさん!凄く快適だよ!」
"ゾウ"を出る前にフランキーさんが私の為に車椅子を作ってくれた。これが凄いの!キャスターが付いている車椅子はボタンを押せば自動で動くし、座る所は折り畳み式で私の歩く練習も出来る!高さ調整も可能だから高い所も取れたりするから、船でお手伝いも出来ちゃうと言う優れ物だ。
「フランキーさんは凄いね!こんな凄いの作れちゃうんだもん。」
「俺はスゥーパァーな男だかな!こんなもん作んのは朝飯前よっ!」
「流石、スーパーな変態!」
いつものスーパーポーズをするフランキーさんに合いの手を入れると、褒めんなよと照れ臭そうな表情。いつも思うけど何で嬉しそうなの?
「おめぇも大分歩ける様になって良かったな。」
「まだ何かに掴まってないと無理けどね。」
足の筋肉も少し付いてきて私は以前よりは自分で動ける様になってきた。まだ1人では無理だけどルフィ君達と合流する時には歩ける様になりたいなぁ。
「そう焦るこたぁねぇ、何かあれば俺がまたスゥーパァーなもん作ってやるよ!」
「ふふっ、ありがとう。」
私の頭を撫でるフランキーさんの手は大きくて凄く安心する。例えるなら…。
「…お父さんみたいだね。」
「あん?」
「麦わらの一味って1つの家族みたい。」
フランキーさんがお父さんでロビンちゃんがお母さん。ゾロ君やサンジ君がお兄ちゃん。ナミちゃんは妹っぽいけど大人っぽいとこもあるからルフィ君やウソップ君よりかはお姉さんかな?チョッパーさんとブルックさんは…うん。
「家族か…。そんな事考えた事もなかったな。」
「そう?でも、きっと家族よりも強い絆で結ばれてるんだと思うよ。」
お互いを信頼し合って助け合って…彼等を見ていたら血の繋がりなんて関係ないんだと思う。
「じゃあ…花子は長女だな!」
「私は根っからの末っ子気質だよ~。」
私はどちらかと言うと甘えたい派だ。そう言うと年齢的に無理だろうと冷静に言われた。…それは言わないでよ!