第28章 欲張りなあの子
花子 side
ゾロ君とロー君の散々な言い様にイジケた私をフランキーさんは諦めろと優しく宥め抱えてくれた。チョッパーさん達と離れるのは寂しいけど、私だってサンジ君の事が心配なんだもん。
「大丈夫だ、花子!心配すんな!」
いつもの笑顔でルフィ君が、必ずサンジ君を連れ戻すから安心しろと私の頭をグシャグシャと撫でる。
「…ねぇ、ルフィ君。サンジ君に会ったら伝えてくれる?」
「ん?なんだ?」
確かに私はルフィ君みたいに強くない。ナミちゃんみたいに航海術も持ってない。チョッパーさんみたいに医療の知識もない。ブルックさんみたいに…うん…。
「また、美味しいご飯作ってね。待ってるよって。」
私には待つ事しか出来ないけど、でも楽しそうに皆の為に料理をしている彼の笑顔をもう1度見たい。
「それじゃあ、行ってくる!」
下象の手伝いは任せろとカン十郎さんが筆を取り出す。え…またあれで降りるの結構怖くない?
「いいよ、このまま降りるから。」
「このままって…?」
ルフィ君は腕を伸ばしナミちゃん達を抱える。このままって…このままっ?!
「「「ぃぎやあぁあぁぁっ?!」」」
「「「えぇーっ?!」」」
皆を抱えたルフィ君がぴょんっと象の背中から飛び降りた。ナミちゃん達の悲鳴、皆の驚いた声が辺りに響き渡る。
「じゃあなぁ~!"ワノ国"で会おう~!」
「こっちの事は任せろ!」
麦わらの一味からしたらこれが普通なのか皆呑気に手を振っている。いいの?!それで?!ナミちゃん達、めっちゃ涙目だったよ?!
「んじゃ、俺達も行くか。」
「ねぇ!大丈夫なの?!あの高さから降りてっ?!」
「ルフィがいるし大丈夫だろ。」
ルフィ君の事信頼してるのは分かるけど、いいの?!ゾロ君達の落ち着き様に自分が可笑しいのかと錯覚してしまう。取り敢えずは、ナミちゃん達が無事に船に降りれます様に…。
(…私、付いて行かなくて良かった。)あれ、普通なの?
(まぁ、ルフィだからなぁ~。)わりとよくある
(突然飛ばされたり、突然引っ張られたり。)
(…。)