第28章 欲張りなあの子
ルフィ、ナミ、チョッパー、ブルック。後、ミンク族からはペドロがサンジ救出に向かうと言う事になり、先に"ワノ国"に向かう者達が彼等の見送りの為、正門まで足を運ぶ。
「チョッパーさぁん…またお別れなんて嫌ですぅ~!」
「泣かないでくれよ…花子~。」
「「「…。」」」
しくしくと自分を抱き締める花子にチョッパーはどうしたら良いのか分からず戸惑っている様子。初めは微笑ましそうに見つめていた他のメンバーもかれこれ1時間程同じ事を繰り返している彼女に、呆れた表情をしている。
「…いい加減に離してやれよ。」
「だってっ…だってやっと会えたのにまた、お別れなんて!しかも、ペドロさんも一緒にいっちゃうんだよ…!」
「…花子。」
自分との別れを惜しんでくれている花子にペドロは嬉しそうに顔を綻ばせる。しかし、国を守ってくれたサンジを助けたいと言う気持ちは変わらない。
「私の癒しが無くなるじゃないのっ!」
「本当にブレねぇな!お前はっ!」
「花子、大丈夫だ!サンジを連れ戻したらすぐに"ワノ国"に俺達も向かうから!」
「チョッパーさぁんっ!」
まるで、今生の別れの様にチョッパーに縋り付く花子に、いつまで経っても向かえないと思ったのかナミが彼女に近付こうとするよりも先に、ペドロが花子の前にしゃがみ込んだ。
「花子、心配するな。暫しの別れ。サンジを取り戻したらまた会える。」
「…でも、四皇~…。」
「確かに一筋縄ではいかない相手だが、必ず戻ってくる。だから、ゆガラもその間に歩ける様になっていてくれ。」
そうしたら一緒に散歩をしようと、優しく頭を撫で微笑むペドロに花子はぶわりと涙を溢れさせた。
「やっぱり、私も一緒に行くーっ!」
「いい加減にしろっ!」
「ナ…ナミ…。」
うわぁんっとペドロに抱き着く花子の頭を殴ったナミが2人を回収。自分も一緒に行くと駄々を捏ねる花子に皆頭を抱えた。
(大体、お前が行っても役に立たねぇだろ。)
(戦えねぇしな。)
(邪魔になるだけだ。)諦めろ
(酷いっ!?)確かにそうだけど!