第28章 欲張りなあの子
花子 side
「どうすんのよ…これぇ~!」
何度か求め合った私とゾロはお互いの何やらでぐちゃぐちゃ。このまま帰ったら確実にナニをしてたかがバレてしまう!
「別に俺等がヤッてる事ぐらい他の奴等も知ってんだろ。」
「デリカシーて知ってるっ?!」
シてた事が問題じゃなくてあからさまなのが気まずいんだよ!ゾロ君のズボンなんて、何とは言わないけどビシャビシャに濡れてて目も当てられない!
「たく、仕方ねぇなぁ。」
「ゾロ君?」
面倒臭そうに溜め息を吐くとゾロ君は私をひょいと抱えた。まさか…このまま帰る気じゃないよね?そんな私の心配をよそに彼は私を抱えたまま、目の前の湖に飛び込んだ。
「っ!ぷはぁっ!…っちょっと!いきなり何すんの?!」
「全身濡れりゃ分かんねぇだろ。」
成る程!ゾロ君にしては頭がいい!でも、飛び込む前に一言欲しかったよ!ゾロ君は私を陸に上げると隣に腰を下ろし、じっと見つめてきた。
「どうしたの?」
「…いや。」
眉間に皺を寄せ何か言いたそうな彼の視線を追うと、そこは私の胸元。全身濡れた事でTシャツは身体に張り付き少し下着も透けている。
「…まぁ、すぐ着替えれば大丈夫でしょ。」
「お前、マジそう言うとこだぞ…。」
呆れた顔をされたけど元はと言えばゾロ君が原因だからね!私は何も悪くない!そんな事を思っていると、どさりと身体を押し倒され目の前には悪どい顔をしたゾロ君と澄み渡る綺麗な青空。
「…ヤるぞ。」
「さっき散々シたよね?!」
20代の性欲、怖っ!ジタバタと暴れる私を押さえ込み濡れたTシャツの中に手を突っ込んできやがった!
「俺の事以外、考えられねぇぐらい溺れさせてやるよ。」
「っ~!」
くらくらする様な良い声で耳元で囁かれ一瞬理性がグラ付く。そんな私の反応に気を良くしたのかだんだんとゾロ君の手が下着に掛かろうとした時。
「いい加減にしろっ!」
私の怒号とバチンッと乾いた音が森に響き渡った。
(やっと帰ってき…どうしたの?!ずぶ濡れじゃない!?)
(…ゾロ君に湖に放り込まれた。)
(はあっ?!ゾロ、あんた何してんのよっ!)ゴチンッ
(ぐっ!てめぇっ…花子!)