第28章 欲張りなあの子
同盟を組んだところで1度状況の整理をする。たまたま"ゾウ"立ち寄っていたビッグ・マム海賊団のペコムズと共に単身でサンジに会いに行く予定だったルフィ。新世界の海を彼等だけで行かせるのは不安だと航海士のナミが参加。ペコムズは重傷の身なのでもしもの時の為に船医であるチョッパーも向かう事にした。
「私も行かせてください!」
「ブルック…。」
目の前でサンジを連れて行かれてしまい彼も責任を感じているのだろう。一緒に目の前で連れて行かれた仲だとブルックもルフィ達と一緒にビッグ・マムの所に行く事になった。
「んじゃ、後の奴等は先に"ワノ国"に行っててくれ。」
「て、言ってもなぁ~…船はどうするよ?」
「それなら安心しろ、俺の船がある。」
ローの潜水艦を利用してゾロ、ウソップ、ロビン、フランキーと侍達は"ワノ国"に向かう事にした。ネコマムシは部下を引き連れ元白ひげ海賊団1番隊隊長"不死鳥"のマルコの捜索にあたるらしい。
「旦那、マルコに会いに行くの?」
「うむ。今回の戦、あガラの力が必要になるぜよ!」
「そっか。」
「マルコって誰だ?」
「頂上戦争で会ったんじゃない?ほら、あのパイナップルみたいな人よ。」
「あぁっ!あいつか!」
(…パイナップル。)
初めはピンときていない様子のルフィだったがロビンの説明で思い出したのか、懐かしいなぁ!と顔を綻ばせている。パイナップルみたいな人と言う例えに花子はよいよいと、笑うマルコを思い浮かべ思わず吹き出してしまった。
「旦那、マルコに会うならこれ使って。」
「ん?こりゃあ…ビブルカードがか?」
鞄から小さな箱を取り出すと花子は1枚の紙の切れ端をネコマムシに渡す。
「マルコのビブルカード。本当は人に渡しちゃいけないんだろうけど…旦那だし大丈夫でしょ。」
「!こりゃあ、ありがたいぜよ!」
これで時間を大幅にカット出来るとネコマムシは花子にお礼を伝えビブルカードを握り締めた。
「マルコに会ったらよろしく伝えといて。」
「任せるぜよ!」
「後、勝手に渡してごめんね♡って言っといて!」
きゅるんっと小首を傾げる花子にこんなに可愛らしく言われたら彼も怒れないだろうと、確信犯の様な彼女の表情にネコマムシは可笑しそうに笑った。