第27章 真実
未だ花子に張り付いているモモの助をルフィは見下ろす。普段はあまり見ない彼の真剣な瞳に花子までもピンッと背筋を伸ばした。
「お前は飾りかよ!モモ!お前が言えよ!こんなに凄ぇ奴等の大将なんだろ!女に抱かれて泣いてるだけか!?」
「…っぐすっ…。」
「ルフィさん、跡取りというのは成人するまではそれ程しっかりする必要はないものです。周りの大人がきちんとフォローすれば…。確かに花子さんの胸に顔を埋めるなんて羨ま…ゴホンッ!立派な大人として許しがたい行為ですが。全く、羨ましいっ!」
「心の声が駄々漏れだぞっ?!」
「花子…すまぬ。」
「モモ君…?」
花子の腕の中で震えていたモモの助は彼女から離れる。涙を拭いルフィの前に立ち彼を見上げる姿は小さいながらも立派な1人の男だった。
「拙者は…カイドウを倒したい!父上も母上も殺されもうした!早く大人になって、強くなって、仇を討ち、家臣達も守ってやりたい!されど身体も小さいゆえ…!だからっルフィ!一緒に戦ってほしいでござるっ!」
「っ!」
「…何でお前が泣いてんだよ。」
「何かっ…分かんない…っ!」
内に秘めた思いを曝け出し堪えきれず涙を流すモモの助の姿に感激した錦えもん達に釣られ、うっ…と花子も口元を手で覆っていた。
「分かった!」
「え?」
「手を組もう!【同盟】だ!但しカイドウの首は俺が貰うぞ!」
「ルフィ…!かたじけのうござる!かたじけのう…!」
「違うよ!これはガシッとこうやるやつだ!ほら!やってみろ!」
差し出された手を掻き抱き啜り泣くモモの助にルフィはその小さな手を力強く握り締めた。子供だと思っていたが小さくてもあの光月おでんの息子。少し過保護になり過ぎたと、手を取り合う2人を見つめ錦えもんは反省した。
「よぉし、お前等ぁ!俺達は四皇カイドウを倒す為のぉ~…忍者海賊ミンク侍同盟だぁー!」
「…忍者いるの?」
「「「いるだろうっ!」」」
(…いるんだ。)
花子の心の声をナミが代弁すると男性陣からの食い気味なツッコミに苦笑いを浮かべる。新たに誕生した同盟の瞬間を花子は目に焼き付けた。
(どうめいって何でござるか?)
(友達だ!)
(違ぇっ!)
(…。)違うんだ…