第27章 真実
花子の世界の話もそこそこに本題に入る。古代文字はモモの助に引き継がれる前に途絶えてしまったと言う事は…。
「そうだ…!おでん様は処刑され申した!"ワノ国"の将軍と海賊カイドウの手によって!家臣である我ら全員の命を守り、立派な最期を遂げられた!」
「カイドウが…!」
「四皇カイドウの…百獣海賊団は"ワノ国"におる…!」
カイドウが"ワノ国"に。倒すべき敵の所在が分かり一気にルフィ達の顔が引き締まる。しかし、ここでゾロにはある疑問が浮かんだ。
「…答えたくなきゃいいが、お前等の親分は何をして処刑された?お前等が捕まったり狙われたりしてんのと、何か関係があるんじゃねぇのか。」
確かにそれはそうだ。息子であるモモの助ならともかく、家臣である錦えもん達まで狙うとなると相当、重大な事をしでかしたに違いない。
「左様!カイドウは我等から情報を引き出そうとしておる。先代大名光月おでん様は海賊王ゴール・D・ロジャーと共に最後の島"ラフテル"に辿り着き、世界の秘密を知ったお方でござる!」
「モモの父ちゃんが…!海賊王のクルーだったのか!」
おでん亡き今、世界の秘密を部下から聞き出す為、カイドウと繋がっているドフラミンゴやシーザーが彼等を付け狙っていた。しかし、おでんはその重荷を彼等には背負わせなかった。おでんが彼等に残した言葉はたった一言…。
ー開国せよっ!ー
自分の命が消えようとしている最期の瞬間まで国を案じ続けたおでんの望み。主の悲願を果たすには、何としても"ワノ国"を裏切り者の将軍とカイドウから取り戻さなくてはならない。
「"ワノ国"は今手を組んだ将軍とカイドウの手によってほぼ制圧状態!今国では僅かな反乱の意思を掻き集めておるが、敵の大軍に対しては多勢に無勢!このままでは勝機は見えぬ…!」
雷ぞうが"ゾウ"を訪れたのは、光月家とミンク族は古くから運命を共にする契りを交わしており、此の度の件で頼ろうとしての事だった。
「して、ルフィ殿!そしてロー殿!"ワノ国"の将軍及び四皇カイドウを討つ戦にどうか助太刀願いたい…!」
「おい!こりゃ願ってもねぇぞ!侍達にミンク族、うちにとっても凄ぇ戦力だ!」
錦えもんの涙ながらの願いにルフィはニカッと笑顔を見せ、ローも思ってもみなかった強力な助っ人に笑みを浮かべる。