第27章 真実
ネコマムシとイヌアラシの余りの動揺の仕方にルフィ達の視線が一気に花子に注がれた。注目の的となった花子は居たたまれなくなったのか身体を小さく縮み込ませる。
「…スカイオルカの伝説は知っちょるな?」
「えぇ、"魚人島"に行った時にネプチューン王から。」
「…そうか。」
「なぁ~!だから、コハクがどうしたんだよぉ~!」
真剣な面持ちの2人の王とロビンに分かり易く説明しろとルフィが声を荒立たせる。重い溜め息を吐いた後、ネコマムシはゆっくりと語り出した。
「スカイオルカ言うがは神に使えし神獣じゃ。」
「それは聞いた!」
「王となるに相応しい者を玉座へと導く…その意味が分かるがか?」
「「「!」」」
「じゃが、スカイオルカは言わばログポースの様なもんじゃ。スカイオルカを従える者がおらんとそこまでは辿り着けん。」
どちらが欠けても駄目なのだと言ったネコマムシの声が辺りに響き渡る。しん…と静まり返った空気の中、ウソップとチョッパーが花子に飛び付いた。
「花子ー!頼むっ!コハクに"ラフテル"まで案内してくれと伝えてくれぇ~!?」
「えぇ…?」
「お願いだっ花子っ!俺っ…四皇何て怖ぇ奴等と戦うのは嫌だっ!?」
既にカイドウと戦う事を決めているのに何を今更。しかし、うるうると目を潤ませ自分を見上げるチョッパーに花子うっと胸を押さえる。
「…嫌だ!」
「ルフィー!てめぇ状況分かってんのか?!カイドウだけじゃなくて、ビッグ・マムも相手にするんだぞっ!」
「そうだぞっ!そんな事になったら俺チビるぞっ!ナメんなよっ、この野郎っ!?」
サンジを連れ戻すのだからどちらにしてもビッグ・マムとは対立するのではないかと言う疑問は、敢えて花子は口に出す事はしなかった。
「そんな簡単に手に入ったらつまんねぇだろっ!俺は全員ぶっ飛ばして海賊王になるんだっ!」
「避けられる戦いは避けた方がいいだろ!」
「嫌だっ!俺はそんな理由で花子を乗せたくねぇっ!」
「お前なぁ~…!」
「それに、俺は花子と約束したんだ!俺が海賊王になったら船に乗せるって!」
だから、まだ乗せねぇ!と鼻息荒く言い放つルフィに花子は1人くすりと笑みを浮かべていた。