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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第27章 真実


勢いよく階段を駆け下りているルフィ達は心を踊らせる。黒い衣装に身を包み闇夜を駆け抜ける忍者を。巻物を手にドロンッと姿を消す忍者を。華麗な身のこなしで手裏剣を投げる忍者の姿を。

「おい、あれがっ!」

「忍者っ…!」

次第に大きくなる声に忍者は目の前にだと走るスピードを速める。広い場所に出ると部屋の中心に巨大な赤い石板が目に入る。その石板に張り付けられている彼こそが…。

「来たなネコマムシィ!お主、何故拙者を敵に渡さなんだ!来る者皆、怪我をして…国は無事と聞いたが、真か!?もし偽りならこの雷ぞう、貴様を恨むでござる!カーッ!」

「「「えぇっー?!イメージしてたのと違うーっ!?」」」

大きな顔にずんぐりむっくりとした身体。お世辞にも忍べそうに無い男は間違い無く"忍者"の雷ぞうである。洪水の様な涙と鼻水を流す彼の風貌に、勝手なイメージが出来上がっていたルフィ達はショックでその場に膝から崩れ落ちた。

「顔…でかい…。」

「足…遅そう…。」

「あれが…忍者…。」

「俺ぁ…認めねぇぞっ…!」

言いたい放題である。後から彼の姿を見たゾロもあれはねぇだろうと愚痴を溢し、ローも期待していたものと違ったのか目元を帽子の鍔で隠し舌打ちを溢す。

「あの石は…見た事もない真っ赤な…まさかっ!」

「あぁ、ポーネグリフじゃ。」

「家紋は何百年も前からあるものだ。ゆガラの事は知ってるぞ、ニコ・ロビン。オハラはあの文字を解読したと聞く。」

壁に描かれた光月家の家紋。そして、雷ぞうが張り付けにされている真っ赤な巨大な石板にロビンは目を見開いた。

「ゾロ君、ポーネグリフって?」

「俺も詳しい事は知らねぇが、ロビンがずっと探している物らしい。」

「ふ~ん…。」

紙とペンを持ちポーネグリフを解読し始めたロビンを見つめ花子は、はてと首を傾げる。

「ゾロ君、ロビンちゃんは何してるの?」

「あれを解読してんだろ。あの文字はロビンにしか分からねぇからな。」

「え…?」

ゾロの言葉に花子は目を丸くする。ロビンにしか分からないと言う事は他の皆は分からないと言う事。しかし花子の目には。

(…普通に読めるんだけど。)

思わず声が出そうなのを耐え、花子はぐっと言葉を飲み込んだ。そんな彼女を探る様にイヌアラシは見つめていた。

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