第27章 真実
ナミ side
「酷い…ナミちゃん…2回もぶたなくてもっ…!」
「あんたが駄々捏ねるからでしょ!」
「大丈夫?お酒飲む?」
「…飲む!」
タンコブが2個重なる頭を抱えしくしくと泣く花子にロビンがお酒を差し出す。嬉しそうにそれを受け取り口を付ける姿は年齢より幼く見え、本当にロビンと同じ年が疑っちゃうくらい。
「まったく…心配したのに損したわ!」
「心配?」
「ナミね、貴女の事を心配してたのよ。ルフィ達から色々話を聞いて。」
色々聞こうと思ったのにトラ男が花子連れてっちゃうし、やっと話せると思ったら馬鹿な事してるし!落ち込んでたら慰めてあげようかと思ったけど拍子抜けよ。
「ナミちゃん…ありがとう!大好きっ!」
「…はいはい。」
「あら、私も心配してたのよ?」
「勿論、ロビンちゃんも大好きだよ!」
満面の笑みで抱き着く花子をあしらった後、きゃぁ~っとロビンにも抱き着く彼女の足首にふと目をやると、傷があったなんて信じられないくらい綺麗になっている。
「…それトラ男が治療したの?」
「ん~ん、レオ君から貰った花薬のお陰!」
「レオ?」
「トンタッタ族の子よ。でも良かった、綺麗に治って…。」
しゅんと眉を下げ悲しそうな顔をするロビンにどれだけ酷い傷だったか想像が付く。本当に…ドフラミンゴは録な奴じゃないわ!
「2人供、そんな顔しないで?」
「…何で笑ってられるのよ!」
「そりゃあ、最初は痛かったけど…でもこうやって皆のお陰で治ったからいいの。」
そう言って柔らかく微笑む花子に胸が痛む。何で…何でそんな風に笑えるのよ。あんたが1番痛かった筈なのに…花子が1番、辛かった筈なのにっ。
「それにあの行動もドフィからの愛だと思えば可愛く思えちゃって。」
「…あんた、頭大丈夫?」
「あははっ、私もそう思う!…でも、そうするくらい彼は私が離れる事を恐れていたんだと思う。」
だから、いいのと傷の無い足首を撫でる花子の顔に息を飲んだ。全てを許す様な慈愛に満ちた表情。その優しい眼差しが一瞬ベルメールさんと重なってきゅっと切なくなる胸をそっと押さえた。