第26章 ハートの再会
花子とも和解できハートの海賊団はローの帰還を祝い宴を始めた。本当に良かったと涙を浮かべるクルー達を見つめ、ローの口元が微かに上がる。
「本当にキャプテンは凄ぇな!ドフラミンゴを倒しちまうなんて!」
「それに花子もちゃんと連れて帰ってきてくれて!」
「これで本当のハートの海賊団、勢揃いだぁ~!」
「…ん?」
やんややんやと小躍りを始めるシャチやベポに酒を飲んでいた花子は、キョトンと目を丸くした。
「私、戻ってきたわけじゃないよ?」
「「「え?」」」
「だから、私ハートの海賊団に入るつもりないよ。」
さも当然の様に言う花子に今度はクルー達が目を丸くする。隣に座るローに目を向ければ彼も不満そうだが無言で頷いた。
「何で?!やっぱりまだ俺等の事許せない!?」
「どうしたら許してくれる?!全裸で"ゾウ"を1周したらいいのか!?」
「捕まるから止めなよ。」
「どうして、花子!?折角また一緒にいられると思ったのに!」
「皆さんを象の背中から紐無しバンジーさせますか!?それともローさんに1日語尾に【にゃん】を付けて喋って貰いますか!?」
「え、何それ、楽しそう。」
「…おい。」
ローが語尾に【にゃん】を付けて喋るなんて面白そうだと、少し考える素振りを見せる花子の頭をローが小突く。どうしたら戻って来てくれる?と詰め寄るクルー達に苦笑いを浮かべる花子をじっと見つめローはルフィとの会話を思い出す。
ーちょっとルフィ!本当にいいの!?ー
ーん?だってトラ男んとこの奴等と知り合いなんだろ?ー
ーそうだけど…。ー
もしそのままローに盗られてしまったらとムッとした顔をするナミにルフィはニカッといつもの笑顔を見せた。
ー別に花子がトラ男んとこに行きてぇってんなら、それもいいじゃねぇか!それに、俺は花子と約束したんだ。海賊王になったら必ず俺の船に乗せるって!ー
それまでトラ男に貸してやるよ!と、だははっ!と笑い飛ばしたルフィにブチィッとローの血管が切れたのはつい先程の事。
(…上等じゃねぇか。)
ローとて花子を手離す気はない。後で吠え面かかせてやると、ギラギラと妖しく光る瞳で花子を見つめローはくっと喉を鳴らせた。